(C)2022 WOWOW INC.
「エイキチが来る」という謎の言葉を残し、行方がわからなくなった妻・仁美。彼女を探すため、岩森はまだ幼い娘を連れて、仁美の双子の妹・矢萩有美(蓮佛/1人2役)が母と暮らす家に滞在する。しかし、村では経済を担ってきた「矢萩総業」の社長・吉朗(伊武雅刀)と青年団のリーダー・降谷辰樹(工藤阿須加)を中心とする矢萩一族と降谷一族が激しく対立。12年ぶりの祭りを控える中、岩森と同じく東京からやってきたコンサル会社の金井誠(眞島秀和)が吉朗のバックアップのもと、次世代型施設の開発提案をするなど、混乱を極めていた。
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その様子を呆然と眺めていた岩森は、ある青年から「仁美のことで話したい」と言われるものの、その日の夜に集中豪雨が襲い、電気や通信も遮断されて村はパニックに。翌朝、岩森は鳥居を抜けた先にある青年との待ち合わせ場所に向かうが彼には会えず、村唯一の警官とともに帰り道で発見したのは、胸を刺された青年の姿だった。祀られているエイキチや儀式について質問しても、よそ者扱いされるばかりの岩森。そんな主人公を松田は、視線や口元で言葉を呑み込む仕草で細やかに表現。その静かな苛立ちはやがて思いがけない行動へと繋がっていく...。
■暴かれていく真相...狂気と正気を行き来する芝居が圧倒的
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仁美がいなくなる前に電話で相談していたという降谷美咲(山田杏奈)の行動や証言によって、次第に儀式の実態が明らかになっていく本作。権力と暴力をふりかざす吉朗たちのやり方に反発する青年団・辰樹たちの抗争も含め、徐々に村の闇が浮き彫りにされていく構成だ。その恐怖感は物語が進むにつれて深まり、冷静を保っていた岩森の心のバランスも崩れていく。家族への愛情、執念ゆえに声を荒げ、心配する有美を振り切って命賭けの行動に出る岩森を演じる松田の芝居は、抑えに抑えていた感情が爆発する時の狂気と痛みを見事に体現している。
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閉ざされた村に起こった数々の不気味な事件、岩森が抱えた想い。最終話まで見届けずにはいられない本作を、松田の予測不可能で奥行きのある芝居とともに堪能したい。
文=山本弘子









