土屋太鳳×山崎賢人のW主演映画「orange-オレンジ-」――"けんたお"名コンビが紡ぐひたむきな青春ラブストーリー
俳優
(C)2015「orange-オレンジ-」製作委員会 (C)高野苺/双葉社
長野県松本市。高校2年生になった高宮菜穂(土屋)は、通学路の桜の美しさに見とれるあまり、人生で初めての遅刻をしそうになる。なんとか登校時間に間に合い、教室に着いた菜穂は、その日の朝に届いた手紙を読むことに。差出人は、10年後の自分。最初は誰かのいたずらかと思った菜穂だったが、その手紙は、菜穂が遅刻しそうになったこと、東京から転校生が来ること、彼の名前は成瀬翔(山崎)で、隣の席になることを言い当てる。そして手紙の続きには、菜穂が翔を好きになることや、その翔が1年後には亡くなっていること、そしてその未来を変えるためにやるべきことが書かれていた。菜穂は手紙の通りに起こっていく出来事を目の当たりにして、10年後の自分が後悔しないよう、翔を救うことを決意する...。
同作での土屋は、清楚なビジュアルと控えめで柔らかな話し方で、原作の菜穂のイメージを見事に再現。菜穂が内気で、しかし誰よりも心優しい性格だと言うことを冒頭から印象付けている。そして、そんな菜穂が手紙をきっかけに、翔のことを救おうと1歩、2歩...と踏み出して強くなっていく姿がなんとも健気でひたむきで、応援したくなる。戸惑いながらも懸命に行動する中で、なかなか勇気を出せなかったり、何度も心が折れそうになったりする菜穂。その心情を、緊張が滲むような声色や視線の揺れなど、土屋は細かな演技で丁寧に表現している。土屋の真っすぐで澄んだ瞳と透明感が、ヒロイン・菜穂のイメージにぴったりとハマる。
転校生の翔は普段は明るく振舞っているが、どこか影を抱えている少年。そんな翔の柔らかな笑顔と、孤独を感じさせる空虚な表情を、山崎が見事に演じ分けている。高校2年生の翔が背負うにはあまりにも大きな喪失と苦しみ、心の葛藤。山崎の表情からはそれらが痛いほどに伝わってくる。そして翔も菜穂と同じように、少しずつ変わっていく。菜穂の優しさに触れ、友人たちとの思い出も増えて少しずつ自分を取り戻しながらも、やはり大きな後悔と悲しみは消えず、心を支配される...そんな一進一退を繰り返すのだ。
菜穂と翔を取り囲む同級生を竜星涼、山崎紘菜、桜田通、清水くるみが好演。リレーや翔の誕生日を祝う場面など、青春がぎゅっと詰め込まれたような友情シーンでの息の合った演技も見どころ。特に竜星が演じる須和弘人は、菜穂に想いを寄せながらも菜穂と翔を見守り、時にそれぞれの背中を押す人物。そんな切なくも温かい須和を竜星が好感度たっぷりに演じている。10年以上前の作品だけに、土屋や山崎を始めとするキャスト陣の瑞々しい演技にも注目だ。
互いに想いを伝えられないゆえのすれ違いや、少しずつ縮まっていく距離感など、高校生らしい甘酸っぱさも描かれた同作。「大切な人を守りたい」という気持ちが奇跡を起こす感動の青春物語を、この機会にぜひ楽しんでいただきたい。
文=HOMINIS編集部









