文字が事件を解決する鍵になる──そんな独自の切り口で話題を呼んだ「未解決の女 警視庁文書捜査官」(2018年)は、刑事ドラマの枠組みを借りながらも、知的な興奮と人間ドラマの機微を鮮やかに描き出した一作だ。本作で主演を務める波瑠と、そのバディとして唯一無二の存在感を放つ鈴木京香。2人の共演は、放送当時から大きな注目を集めた。
2018年当時、波瑠は連続テレビ小説「あさが来た」の国民的人気を経て、主演俳優としての地位を盤石なものにしていた。透明感の中に一本芯の通った強さを感じさせる彼女の佇まいは、若手刑事という役柄に、単なる未熟さではない"意志の強さ"を与えた。一方の鈴木京香は、言わずと知れた日本を代表する実力派。洗練された美しさと、奥行きのある演技で数々の名作を彩ってきた彼女が、本作では一癖ある"文字の神様"を演じるというキャスティングに大きな期待が寄せられた。
物語の舞台は、警視庁捜査一課「特命捜査対策室」第6係。未解決事件の文書捜査を担当する、いわゆる「文書解読係」だ。波瑠が演じる矢代朋は、体力と柔道には自信があるが、考えるよりも先に身体が動く熱血刑事。以前は現場の最前線にいたが、ある事件をきっかけに第6係に異動となる。そこで彼女が出会うのが、鈴木演じる上司の鳴海理沙だ。理沙は対人関係が苦手で、地下の文書室にこもって古今東西の文書を解読することに没頭する。正反対の個性がぶつかり合い、やがて化学反応を起こしていくのが本作の醍醐味である。
■波瑠と鈴木が凸凹バディを正反対の個性で演じる!
波瑠の演じる矢代は、ショートカットの快活なイメージが重なり、視聴者に"応援したくなるヒロイン"としての安心感を与える。ただ明るいだけではなく、文書という静かな対象に向き合う中で、彼女の持つ直感の鋭さや被害者の心の叫びをすくい取ろうとする懸命さも物語に熱量をもたらす。
鈴木が演じる鳴海は、どこか浮世離れしているが、文字の行間から書き手の深層心理を読み解く瞬間に見せる眼差しが圧巻だ。鳴海が放つ「文字は嘘をつかない」という信念は、鈴木の凛とした声質により、絶対的な説得力を持って響く。
また、2人のバディ感は、決して"仲良し"ではないところが面白い。鳴海は矢代を「肉体派」と揶揄し、矢代は鳴海の偏屈さに閉口する。しかし事件解決という一つの目的に向かい、矢代の現場を駆け回る機動力と、鳴海の静止した空間での思考力が噛み合う瞬間──。動と静、感覚と論理という対比が非常に美しく、お互いの足りない部分を埋め合う姿は理想的なビジネスパートナーのようでもある。











