中井貴一鈴木京香が見せる大人の恋!コラムニスト・吉田潮がドラマ「共演NG」を語る!

国内ドラマを1本厳選してオススメ。最終回は、中井貴一が主演を務めたドラマ「共演NG」。ドラマ共演NGの俳優たちが繰り広げる大人のラブコメディに加え、ドラマ制作の裏側にも迫ったエッジの利いた作品です。

ドラマ「共演NG」の登場人物たちのイラスト
ドラマ「共演NG」の登場人物たちのイラスト

■中井貴一と鈴木京香の大人の恋をとくと見よ 

過去に共演してモメた、キャラがかぶる、事務所同士が犬猿の仲など、芸能人の共演NGはよくある話。これを主題に、ドラマ制作現場のえげつない裏事情を描く。俳優の遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)は、業界屈指の共演NG。昔交際していたが、遠山の二股が発覚。瞳が涙の記者会見を開いたのが25年前。以後"うんこ野郎・ク
ソ女"と陰で罵ののしり合うほど険悪だ。


そんな2人を不倫ドラマで共演させることに成功したのがテレビ東洋。視聴率を獲れず、バズりもしないドラマ枠は瀕死の状態。一か八かでショーランナー(現場責任者)・市原龍(斎藤工)に依頼、企画・脚本・キャスティングに宣伝と丸投げしたところから、あらゆる騒動が勃発していく。

実は2人以外の出演者も共演NGの人々ばかり。大御所の時代劇俳優(里見浩太朗)と師弟関係にあったが仲たがいした個性派俳優(堀部圭亮)、元アイドルの先輩後輩に、戦隊モノと2.5次元のキャラかぶりなど。顔合わせから一触即発状態で、スタッフは気苦労が絶えない。

面白いのはドラマ制作の本音と弱音がダダ漏れな点だ。芸能界の謎の不文律やスポンサーへの忖度など、毒と愚痴と自虐がてんこ盛り。市原の右腕で不遜に指示を飛ばす与謝野・M・リリカ(瀧内公美)に翻弄されるドラマ制作陣。演じるのは岩谷健司、迫田孝也、小島藤子に森永悠希。彼らの右往左往が可笑しいやら切ないやら。監督(岡部たかし)がやらかしちゃうのも今のご時世、さもありなん。実は事務所社長(猫背椿)が一枚かんでいるのも笑える。騒々しく毒々しいが、中井と京香の微細な表情が多弁で、完成度の高い大人の恋愛モノになっている。

よしだ・うしお●1972年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

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放送情報

共演NG

放送日時:2022年6月19日(日)3:10~

チャンネル:ホームドラマチャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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