上川隆也が演じる金田一耕助の新たな魅力!横溝正史の名作ミステリー「迷路荘の惨劇」

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上川隆也という俳優には、多様な人間性を描き分ける確かな演技力がある。ドラマ「大地の子」(1995年)で演じた陸一心のような、重みのある人間ドラマを正面から担う実直な役柄を演じたかと思えば、「遺留捜査」シリーズの糸村聡で見せたような独特の感性を持つ人物まで、幅広いキャラクターを演じ分けてきた。

そんな上川が2002年に出演したのが、テレビ東京系で放送された「横溝正史生誕百年記念 金田一耕助ファイル 迷路荘の惨劇」だ。推理小説界の巨匠・横溝正史の生誕100年を記念して制作されたミステリードラマで、8月23日(日)にファミリー劇場で放送される。

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昭和25年の夏。依頼を受けて京都を訪れた名探偵・金田一耕助は、「迷路荘」の異名を持つ複雑な造りの別荘・名琅荘へと足を踏み入れる。ホテルへの改装を記念したお披露目のため、ゆかりの人々が集うなか、屋敷を舞台に不可解な連続殺人事件が発生。迷宮のような屋敷に張り巡らされた謎、名家に秘められた悲劇と怨念が次第に浮かび上がっていく。重厚かつおどろおどろしい世界観のなかで、上川演じる金田一の佇まいは異彩を放っている。

■名優も演じてきた金田一耕助を上川隆也が熱演

上川は、大学在学中の1989年に演劇集団キャラメルボックスへ入団。長きにわたり舞台で経験を積み、ドラマ「大地の子」で主人公の中国残留孤児・陸一心を演じて一躍注目を集めた。1997年に公開された映画「東京夜曲」で第21回 日本アカデミー賞 新人俳優賞、2000年には映画「梟の城」で第23回 日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞するなど、映像作品でも確かな実績を重ねてきた。

冒頭にも記したように、実直で誠実な人物から、どこか飄々としたユニークな人物まで幅広く演じ分けられるのは、上川が舞台で磨き上げた身体表現と繊細な感情表現によるものだろう。その演技力は、本作で演じた金田一耕助にも存分に生かされている。

ここで、歴代の名優が演じてきた金田一耕助に触れてみたい。例えば、石坂浩二は"知性と品格"、古谷一行は"色気と哀愁"、西田敏行は"人間味"といったように、それぞれ異なる魅力を持つ金田一像を築き上げてきた。

一方、上川の金田一は、それとは違ったアプローチを感じさせる。個性を前面に押し出すというよりも、原作のイメージを丁寧にすくい上げたような自然体の人物像が印象的だ。どこか親しみやすい面を見せながらも、事件の本質へ静かに迫っていく姿には、上川ならではの知性と柔らかな人間味がにじみ出ている。

■上川隆也ならではの金田一像と、横溝正史作品の醍醐味

上川は派手な芝居に頼ることなく、静かな佇まいで金田一耕助の思考や人間味を表現。冷静な観察眼と穏やかな人柄を自然に漂わせる演技が、作品全体に落ち着いた緊張感を与えている。

本作では迷路のような屋敷を舞台にした閉鎖的な空気感や、名家に受け継がれてきた因縁が複雑に絡み合い、横溝正史作品ならではの濃密なミステリーが展開される。屋敷そのものが事件の一部であるかのような不気味な存在感や、少しずつ真相へ近づいていく過程も、本格ミステリーならではの醍醐味といえるだろう。

なお、上川が金田一耕助を再び演じた「横溝正史サスペンス 金田一耕助ファイルⅡ 獄門島」も、同じく8月23日(日)にファミリー劇場で放送される。上川隆也ならではの誠実で知的な金田一像と、横溝正史が描く本格ミステリーの世界を同時に味わえる作品として、この機会にぜひ堪能してほしい。

文=HOMINIS編集部

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