©カンテレ
共演者との掛け合いも、長澤演じる恵那の人物像を浮かび上がらせている。
恵那を冤罪疑惑へと引き込む若手ディレクター・拓朗を演じるのは眞栄田郷敦。空気を読まずに恵那へ食い下がる拓朗と、それを面倒がってかわそうとする恵那のやり取りにはコミカルな瞬間もあり、やがて事件をともに追う中で変化していく2人の距離感にも注目したい。
一方、恵那の元恋人で報道局のエース記者・斎藤正一を演じる鈴木亮平との場面では、また違った表情を見せる。かつての恋人同士ならではの親密さを残した会話がある一方で、それぞれの立場や考え方の違いも垣間見え、長澤と鈴木の抑制された掛け合いが独特の緊張感を生み出している。
©カンテレ
さらに、番組チーフプロデューサー・村井喬一役の岡部たかしをはじめ、三浦透子、華村あすから個性豊かなキャストの存在も、テレビ局という組織の独特な雰囲気や物語に漂う不穏な空気を際立たせている。
そして、本作を語るうえでもう1つ見逃せないのが、各話で少しずつ変化していくエンディング映像だ。第1話では、情報番組のMCを務める恵那が笑顔でケーキ作りをする姿が映し出される。しかし、そこで待っているのは予定調和とは程遠い光景だ。テレビの中で求められる"浅川恵那"と、そこから少しずつ外へ踏み出していく彼女自身との対比を思わせる、印象的な映像になっている。
ここで流れるのが、Mirage Collectiveの「Mirage」。STUTSが音楽プロデュースを手掛ける音楽集団による主題歌で、長澤自身もボーカルとして参加している。映像と音楽の両面から本編とはまた違った作品世界を楽しませてくれるのも見どころの1つだ。
©カンテレ
冤罪疑惑を軸に、報道に携わる人々の葛藤や組織の論理を描きながら、一度立ち止まらざるを得なかった人間が、再び自分の意志で歩き出そうとする姿を映し出す「エルピス-希望、あるいは災い-」。浅川恵那の揺らぎを丁寧に積み重ねる長澤まさみの演技に注目してほしい。
文=HOMINIS編集部




堤幸彦監督と15年ぶり再タッグ『ミステリー・アリーナ』で共感ゼロの怪演" width="304" height="203" loading="lazy" fetchpriority="high">


舘ひろしとの再共演で得た気づき" width="304" height="203" loading="lazy" fetchpriority="high">

