中森明菜、20年ぶりのライブツアーで再び注目!20歳の歌姫が輝く「ビター&スウィート(1985サマー・ツアー)」

ミュージシャン

「中森明菜 ビター&スウィート(1985サマー・ツアー)」
「中森明菜 ビター&スウィート(1985サマー・ツアー)」

1982年のデビュー以来、圧倒的な歌唱力と独自の表現力で日本の音楽シーンを彩ってきた中森明菜。「少女A」「飾りじゃないのよ涙は」など数々の大ヒット曲を世に送り出し、楽曲だけでなくファッションやパフォーマンスなどでも社会現象を巻き起こした。

そんな中森明菜が2026年、再び大きな注目を集めている。7月に、約20年ぶりとなるライブツアー「AKINA NAKAMORI LIVE TOUR 2026」を開催。東京・大阪・愛知の3都市で全5公演が行われ、61歳の誕生日となった東京公演(7月13日)では24曲を披露し、約10年ぶりとなる新曲「ごめんと、すきと、」をリリース。さらに「ミュージックステーション」への30年ぶりの生出演も話題となった。

現在の中森明菜に改めて注目が集まる今だからこそ、振り返りたいのが20歳だった1985年のライブだ。

■トップスターへの飛躍を刻んだ1985年のサマー・ツアー

今回紹介する「ビター&スウィート(1985サマー・ツアー)」は、1985年に行われたサマー・ツアーのステージを記録したライブ映像作品。東京厚生年金会館で行われた公演の模様を収録しており、同年12月にVHS・BetaおよびLDで発売された。ワーナーミュージック・ジャパンによれば、音楽ビデオソフト初期の記録的なヒット作となった作品だ。

同ツアーは、1985年4月に発売された8枚目のスタジオ・アルバム「BITTER AND SWEET」を携え、7月から10月にかけて全国26都市29公演が行われたもの。「BITTER AND SWEET」はオリコンチャート最高位1位を記録した作品で、井上陽水をはじめ、角松敏生、飛鳥涼、EPOなどの豪華作家陣が参加。音楽性がよりアーティスティックな方向性を打ち出したアルバムであり、彼女のターニングポイントともいえる。

さらに、1985年といえば、「ミ・アモーレ[Meu amor e...]」で第27回日本レコード大賞を受賞した年でもある。まさにアーティストとしての地位を確固たるものにした非常に重要な時期にあたる。

■楽曲ごとに表情を変える、20歳の圧倒的なステージ

映像に収録されているのは、「これからNaturally」「SAND BEIGE -砂漠へ-」「SOLITUDE」「予感」「DREAMING」「SO LONG」「十戒(1984)」「飾りじゃないのよ涙は」「APRIL STARS」など。アルバム「BITTER AND SWEET」の楽曲だけでなく、当時のヒットナンバーや話題曲も織り交ぜた華やかなステージが展開される。

当時の彼女は、20歳とは思えない豊かな表現力で観客を魅了した。なかでも印象的なのは、楽曲ごとに変化する歌唱だ。映像には、マイクに向かう真摯な姿と、楽曲のテイストに合わせた緻密なボーカルコントロールが記録されている。

バラード曲では、伸びやかな低音から芯のある高音までを自在に操り、楽曲に込められた切なさや哀愁を届けている。そして、言葉の語尾まで丁寧にコントロールされた歌声からは、当時20歳とは思えない表現力が伝わってくる。一方で、アップテンポなナンバーやリズミカルな楽曲に切り替わると、表情や身体の動きも含めてダイナミックなパフォーマンスを披露する。

激しいステージで会場全体を熱狂させたかと思えば、次の瞬間にはしっとりとしたバラードで観客を静寂に引き込む。この感情の振り幅と空間を掌握する力こそが、中森明菜が日本の音楽史において唯一無二の存在として君臨し続ける理由だろう。

■2026年の今だからこそ見たい、20歳の中森明菜

中森明菜のライブにおける大きな魅力の1つが、歌唱時の張り詰めた空気と、MCで見せる柔らかな語り口とのギャップだ。リラックスした表情や観客に向けた誠実な姿勢は、彼女がいかにファンとの繋がりを大切にし、ステージという空間と真摯に向き合っていたかを示しているかのようだ。

現在の中森明菜を知ったうえで1985年のステージを見返すことで、その表現力がどのように磨かれ、トップスターとしての地位を築いていったのかを改めて感じられるはず。20歳の中森明菜がステージに注ぎ込んだエネルギーと、時代を超えて色褪せない表現力。1985年の貴重なライブ映像には、時代を超えて愛され続ける中森明菜の魅力が凝縮されている。

文=HOMINIS編集部

この記事の全ての画像を見る
Person

関連人物