"まいまい"こそがキューピット!?田中圭主演「おっさんずラブ」を非モテ系女子キャラの視点から見る!

男と男のピュアな恋を描き、流行語大賞のTOP10にも選出されTVドラマで今年最大の話題作となった「おっさんずラブ」。この年末に見直すなら、押さえておきたい"二度目の「おっさんずラブ」"のポイントをひとつ紹介しよう。物語の始まりは天空不動産の営業所に勤める"彼女いない歴5年"の春田(田中圭)に、その上司である黒澤部長(吉田鋼太郎)と後輩の牧(林遣都)が告白したこと。優柔不断な春田はどちらにもはっきりと断わることができないが、自宅で同居する牧との距離はどんどん縮まっていく。そして、男同士の三角関係が部長の妻や牧の元恋人も含めた四角関係、五角関係へと発展していく。

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(C)テレビ朝日

そうしてラブ線が複雑になる中、そこには絡まないが重要な役割を果たすキャラクターがいる。それは伊藤修子演じる、"まいまい"ことベテラン社員の舞香(まいか)。40代独身で彼氏なし、噂好きで、常に同僚たちの色恋ざたをチェックしている好奇心旺盛な女性である。第2話で、"まいまい"は牧から「好きになっちゃいけない人を好きになってしまった」「最初から可能性のない恋なのに、止められない自分が嫌になる」と打ち明けられ、「チーン!」といち早く牧と春田の関係に気づく。その上で、牧に「好きになっちゃいけない人なんていない」「押して、うまくいかないんなら、引けばいいじゃない」とアドバイスをするのだが、実はこれが最終話までつながるテーマになっている。

モテるタイプではない"まいまい"はいつも"可能性の低い恋"をし、片思いの切なさを知っている。そこが性的マイノリティである牧と共通し、2人はある意味、同士なのだ。結末から振り返って考えると、あのとき"まいまい"が「引けばいいじゃない」と言ったからこそ、その助言どおり、我慢に我慢を重ねた牧は最終的に救われたのではないか?とも言えるのだ。

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"まいまい"役の伊藤の演技は、キレキレで小気味よし。「ハハハハハ」と高笑いするテンションの高さとグイグイと相手に迫る押しの強さで笑いを巻き起こし、演技達者ぞろいのキャストの中でもひと際、目立っている。

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また、 "まいまい"はBL(ボーイズラブ)ファンの象徴に見えることも。"まいまい"は男と男の禁断の恋を見守りながら「フフフフフ」と楽しみ、「くっついちゃえ」とばかりにけしかける。やりすぎて、春田から「なんすかその妄想」とたしなめられてしまうことも。そんな"まいまい"だが、他人の恋を見守るだけで満たされているわけではなく、時には「おひとりさま」としての悲哀をのぞかせる。そして、後半では、ある男性を好きになって自分からアプローチしていくというまさかの展開に。その中で誕生する名セリフ「恋のオーダーしちゃおうかしら?」にも注目だ。

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男を好きになった男だけでなく、恋愛の中で脇役になりがちな非モテ系女子も救われる展開にしてくれた「おっさんずラブ」。感動の最終回まで見れば、"まいまい"が言った「好きになっちゃいけない人なんていない」というメッセージが、より優しく心に響いてくるはずだ。

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文=小田慶子

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放送情報

「おっさんずラブ」全7話一挙放送
放送日時:2018年12月30日(日)10:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1 ドラマ・バラエティ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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