子どもの頃から劇団などに所属し、子役として活躍していた俳優は数多い。その中でもイケメン俳優として名を馳せているのが三浦春馬だ。先日は出演しているドラマの主題歌を自らが歌ってCDデビューを飾り、ますます勢いに乗っている。
三浦が俳優デビューをしたのは1997年、7歳の時。NHKの連続テレビ小説「あぐり」に子役として出演した。当時から三浦はとても可愛らしく、イケメン俳優となる素質が十分にあったようだ。
その後も数々のドラマや映画に出演を続け、2007年には映画『恋空』に出演し第31回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。
2008年にはドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)に出演、また同年のドラマ「ブラッディ・マンデイ」(TBS系)では連続ドラマ初主演を果たすなど、さらに人気は加速していく。
映画では2013年公開の『永遠の0』に出演し、第38回日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。また2018年公開の『銀魂2 掟は破るためにこそある』など、話題作にも次々に出演している。
ドラマや映画だけでなく、三浦は舞台にも積極的に出演。2012年には劇団☆新感線の『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ』に出演。2016年にはブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』で主演を務めるほどの活躍ぶりだ。
的を射た真摯な演技と甘いマスクで、俳優としての地位を確たるものにした三浦。そんな彼が最初に注目を浴びた作品が、2006年に放送されたドラマ「14才の母」(日本テレビ系)であることは、ご存知の通りだろう。
志田未来演じる中学生の主人公・一ノ瀬未希が、同じく中学生の恋人・桐野智志の子供を宿してしまうというストーリーで、未成年の妊娠と出産から生じる家庭の不和や困難を描いた衝撃作だ。三浦が演じるのは、やり手実業家の母に育てられた少年・智志だ。
この智志役の三浦の演技が実に印象深い。自分と周囲の世界との間に葛藤を抱える思春期特有の感情が、その表情に現れている。鬱屈としたものを抱えながらも、その内部にある「若さ」という熱がよく伝わってくるのだ。
しかし決して暴力的ではなく、理想の男性像を押し付ける母・静香に反抗するシーンでは、強い言葉で自らの存在を示し、静香を慌てさせる。
智志はどちらかと言えば不器用なタイプで、主人公の未希とやり取りするシーンでも言葉少なだが、それが明るくおしゃべりな未希との対比となっていて、多くの印象深いシーンを画面に展開する。
この時三浦はまだ16才。この歳でこれだけ深みのある演技を見せたのだから、注目を浴びるのもうなずける。ドラマ「14才の母」は9月8日(日)と15日(日)にファミリー劇場にて一挙放送。俳優・三浦春馬が飛躍するきっかけとなった本作の演技に注目したい。
文=堀慎二郎
放送情報
14才の母 一挙放送
放送日時:2019年9月8日(日)11:00~ほか
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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