杉咲花間宮祥太朗に痛快ダメ出し!?「ハケン占い師アタル」に再注目

「ハケン占い師アタル」より
「ハケン占い師アタル」より

「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」(TBS系)で連続ドラマに初主演し、2019年大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(NHK)にも出演した杉咲花。2020年後期の連続テレビ小説「おちょやん」(NHK)で朝ドラヒロインになることも決定し、ますます注目を集めている。そんな彼女が2019年に主演した一風変わった人間ドラマ「ハケン占い師アタル」(テレビ朝日系)がテレ朝チャンネル1で一挙放送される。

脚本は、最新作「同期のサクラ」(日本テレビ系)も話題になった遊川和彦。これまで「家政婦のミタ」(日本テレビ系)などのヒットを生み出してきた。「ハケン占い師アタル」でも「同期のサクラ」と同様に、1つの会社で共に働く人たちが心を通わせていく様をドラマティックに描いている。

アタルが派遣社員として入ったイベント会社の制作チームは、人使いの荒いベテラン・上野(小澤征悦)、優柔不断な3年目社員の神田(志田未来)、取引先の社長子息で雑用しかできない目黒(間宮祥太朗)と、上司から見れば"使い勝手の悪い"メンバーばかり。しかも、彼らはそれぞれのプライドやコンプレックスが邪魔して"ワンチーム"にはなれない。

アタルは事務処理が速く、社員のサポートもうまく、残業を頼んでも「喜んで」と答える"使える"スタッフだが、実は他人の運命を見通せる不思議な能力を持ち、子供の頃は天才少女としてテレビにも出ていた。その過去に気づいた神田が、アタルに自分を占ってほしいと懇願。アタルは占い師を辞めようと思っていたにも関わらず、結局、チーム全員の運命を見て、人生のアドバイスをすることになってしまう。

「ハケン占い師アタル」より

(C) テレビ朝日

社内の小さな会議室で占いを始めると、一転して口が悪くなるアタルの二面性が面白い。相手が課長だろうと部長だろうと「あんた」と呼び捨てにし、「そんなだからダメなのよ」とビシッと欠点を指摘する。幼い顔付きとアニメっぽい声はまるで「チコちゃんに叱られる!」(NHK)のチコちゃんのようだ。杉咲は、安定感のあるセリフ回しと意志の強い瞳で堂々と先輩たちと渡り合う。しかし、後半、自分を占い師に育て上げた母親が会いに来ると、一転、年齢相応に弱いところも見せる。強気と弱気の両方を演じ、ひとりの人物として破綻なく見せる杉咲の演技は天才的だ。

また、間宮は、コネ入社で実力がなくチームのお荷物扱いされている目黒を好演。映画『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)のようなクールキャラや、「べしゃり暮らし」(テレビ朝日系)のような熱血キャラとはまたひと味違う顔を見せている。特撮ヒーローが好きな目黒の口癖は「俺たちなら奇跡を起こせますよ」。間宮は、そんな無邪気なお坊ちゃんを甲高い声とおどおどした態度で巧みに表現している。目黒がアタルに自分のことを占ってもらう第2話は注目だ。

他の共演者は志尊淳、板谷由夏、小澤征悦、野波麻帆、及川光博ほか。個性の強い役を演じることが多い志尊がごく平凡な今どきの青年を演じているのも新鮮だし、杉咲がデビュー前からのあこがれの存在だという事務所の先輩、志田と共演を果たしているのも見どころ。最年少の杉作からアタルの母を演じる若村麻由美まで、演技巧者がそろい、視聴者をドラマに引き込んでいく。

超能力を持つ主人公というちょっと変わった設定に馴染んでしまえば、アタルが発信する「誰にでも必ずいいところがあって、それは仕事する上で役立つ」という真っ当なメッセージが伝わってくるはずだ。

文=小田慶子

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放送情報

ハケン占い師アタル
放送日時:2020年1月9日(木) 13:10~
チャンネル:テレ朝チャンネル1ドラマ・バラエティ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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