今年、歌手デビュー35周年を迎える中山美穂。昨年12月には約20年ぶりとなるオリジナルアルバム『Neuf Neuf』を発売し、歌手活動を再開させてファンを喜ばせているが、そもそも中山といえば、80年代にデビューした工藤静香、南野陽子、浅香唯と共にアイドル四天王と呼ばれて爆発的な人気を誇った。
"ツッパリ"と呼ばれる不良カルチャー全盛だった80年代当時、中山は思春期の性をテーマにしたドラマ「毎度おさわがせします」(1985年)で、まず女優として活動を始動。その刺激的なドラマのイメージそのままに「C」で歌手としてもデビューするなど、従来の清純派アイドルとは一線を画した中山の存在感は抜群だった。
現在の彼女は、しっとりした大人の色香を漂わせる美しさが際立つが、その女優としての原点は、デビュー作以降も続いた"つっぱり少女"としてのイメージそのものだったのだ。
■過激な不良少女役に!セーラー服姿の中山美穂が大立ち回り
デビュー1年目には、"不良映画の金字塔"ともされている『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)のヒロイン・今日子役で出演。敵対する不良に殴られ髪をボロボロにされるなど、過激なシーンに挑んだだけでなく、主題歌も担当し、映画は空前のヒットに。翌年には続編の『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』も公開され、再びヒロインを演じている。
5月23日(土)深夜からホームドラマチャンネルにて放送される学園ドラマ「セーラー服反逆同盟」(日本テレビ系)は、既に人気絶頂だった1986年に中山が主演した作品だ。当時大ヒットしていた「スケバン刑事」シリーズを意識した対抗作として制作され、中山と共に仙道敦子がW主演している。
学園に巣食う悪の組織に立ち向かう反逆同盟のリーダー・高坂ユミを仙道が演じ、理事長の娘ながら父に逆らって反逆同盟に加わる山懸ミホを中山が演じている。これまでの出演作で演じてきた不良の"マドンナ"的なポジションとは異なり、今作では正真正銘(!?)のスケバン役。紫のアイメイクを施し、赤いバラの花を武器に大立ち回りを披露している。
■80年代ならではの空気感が凝縮!スケバン少女が見せる驚きの展開
スケバンの必需品"ロンタイ"のセーラー服など、振り切りまくったド派手なスケバン風コスチュームは今見ると新鮮で、何より近年のドラマではありえないような女子高生が主役の壮絶なアクションシーンはインパクト抜群だ。悪役の教師たちもめちゃくちゃで、女生徒を売りとばして金を稼いだり、催眠術でマインドコントロールしたりと、学園ドラマとは思えぬ悪行の連続...。80年代ならではの不良カルチャーここに極まれり!といった、ぶっ飛んだ展開にはつい引き込まれてしまう。
安岡力也、愛川欽也、竹中直人、藤岡重慶、ガッツ石松といった、昭和を代表する曲者俳優たちが総出演で、キャストもなかなか豪華。最近の"美しいミポリン"しか知らない人の目には、腰を抜かしそうなほど強烈に映るはずだ。
文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)
放送情報
セーラー服反逆同盟
放送日時:2020年5月24日(日)0:30~
※毎週(日)0:30~(7話連続放送)
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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