舞台『刀剣乱舞』シリーズが熱狂を呼ぶ理由。鈴木拡樹、荒牧慶彦らの演技にも注目！

名だたる刀剣が戦士の姿となった刀剣男士が、歴史を守るために戦う大人気シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」。その舞台版である『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)はチケット争奪戦必至の大人気シリーズで、最新作は2021年1～3月に「TBS開局70周年記念 舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣- Supported by くら寿司」、4～6月には「大阪夏の陣」という2部作の上演が予定されている。

そんな刀ステシリーズの第1弾「虚伝 燃ゆる本能寺」から2019年11月に上演された「維伝 朧の志士たち」まで全8作品が、12月30日(水)に日テレプラスにて一挙放送される。

刀ステの魅力といえば、刀剣男士たちの個性的で激しい殺陣、刀剣男士自身の葛藤やかつての主との関係性を掘り下げて描かれる重厚なドラマ、シリアスな展開の中に差し込まれるコミカルな公演替わりパートなど、挙げればきりがない。そんな中でも特に、ファンの心を掴んだのは、謎が謎を呼ぶ緻密なストーリーではないだろうか。

初演から張り巡らされた伏線が、少しずつ回収されて、三日月宗近や刀ステの世界観にまつわる秘密が明らかになっていく。そして2018年に上演された第6作目「悲伝 結いの目の不如帰」にて、物語は大きな節目を迎えた。しかし全ての伏線が回収されたわけではなく、7作目「慈伝 日日の葉よ散るらむ」以降も、この先の展開を考察したくなるような新たな伏線を散りばめながら、物語は進んでいる。

シリーズを通して鍵を握る三日月宗近を演じるのは、長年2.5次元舞台をけん引してきた鈴木拡樹。初演からこれまで4作品で主演を務め、刀ステキャストを引っ張ってきた存在だ。特に秀でた5振りの名刀・天下五剣の中でも最も美しいとされる三日月宗近を、凛とした立ち振る舞いや凄みのある殺陣で見事に演じている。初演と再演での芝居の違いなど、細かな点にもぜひ注目したい。

また、三日月宗近と並んで重要キャラクターと言えるのが、初演から第7作目まですべてに登場していた山姥切国広。演じるのは、刀ステでその人気を不動のものとし、2.5次元舞台のトップランナーとなった荒牧慶彦だ。本シリーズは、写しであるコンプレックスに囚われていた山姥切国広の成長物語という側面もあり、どんどん頼もしくなっていくその姿は大きな見どころの1つになっている。

この他にも、2.5次元舞台ファンなら誰もが知っているだろう、北村諒や和田雅成、染谷俊之、和田琢磨など、数々の人気キャストが出演している。

2021年上演の2部作には、三日月宗近と山姥切国広が久々に登場することが発表されており、とある本丸の物語が大きく動くことが予想される。それに先がけて、これまでの刀ステの歩みを振り返り、先の展開に思いをめぐらせてみてはいかがだろう。

文＝中島文華

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