2016年より「ジャンプスクエア」にて連載中の「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とする人気漫画。誰もが知る名探偵ホームズではなく、その敵役であるモリアーティ教授を主人公に据えて物語を再構成しているユニークな作品だ。メディアミックスも盛んで、2020年10月にはTVアニメ化されている。
そして、2020年1月に上演され、通称"モリステ"と呼ばれるストレートプレイ版の『舞台「憂国のモリアーティ」』が、1月25日(月)に日テレプラスにてTV初放送される。
時は19世紀末――物語の舞台は、生まれによって一生涯の身分が決定されてしまう階級制度により、上流階級の者たちが支配する大英帝国。一幕では、腐敗した階級社会を変革するために犯罪という手段を選んだモリアーティ伯爵家の三兄弟アルバート、ウィリアム、ルイスの固い絆、そして彼らが信念に従い完全犯罪を行う様子が描かれる。続く二幕では、アイリーン・アドラーという女性の調査を依頼されたシャーロック・ホームズが登場。ウィリアムとシャーロック、2人の天才の歩く道が近づいていく。
犯罪相談役(クライムコンサルタント)という裏の顔を持つ主人公ウィリアム・ジェームズ・モリアーテイを演じるのは、舞台『刀剣乱舞』の山姥切国広役や、「MANKAI STAGE『A3!』」の月岡紬役などで知られる荒牧慶彦だ。今や2.5次元のトップランナーとしてひっぱりだこの彼は今回、温厚で気さくな顔と冷酷な顔をあわせ持つ、二面性のある役どころを見事に表現。とくに、悪人たちに淡々と制裁を加える様は、その端正なルックスもあって余計に恐ろしく感じられる。
一方、名探偵シャーロック・ホームズを演じるのは、舞台『刀剣乱舞』の薬研藤四郎役や、『「僕のヒーローアカデミア」The "Ultra" Stage』の轟焦凍役などで知られる北村諒。本作では、人情味があって野性的な名探偵を好演している。シリアスなモリアーティ三兄弟サイドとは違い、シャーロックサイドはコミカルなシーンが多く、相棒ジョン・H・ワトソン(松井勇歩)とのテンポの良いやり取りにも注目だ。
また1月18日(月)には、歌とピアノ・ヴァイオリンの生演奏で紡がれる、ミュージカル『憂国のモリアーティ』の第1弾が同じく日テレプラスにて放送。舞台より先となる2019年5月に上演されたこちらでは、ウィリアムを鈴木勝吾、ホームズを平野良が演じている。演出はもちろん、扱うエピソードなども異なっているので、どちらかを既に観たという人も新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。それぞれ違った魅力を持つストレートプレイ版とミュージカル版をあわせて見て、この世界観にどっぷり浸ってはいかがだろう。
文=中島文華
放送情報
舞台「憂国のモリアーティ」
放送日時:2021年1月25日(月)21:00~
ミュージカル『憂国のモリアーティ』
放送日時:2021年1月18日(月)21:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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