早乙女太一が艶やかに舞う!劇団朱雀が幕引き公演で見せた大衆演劇の魅力

誰もが気軽に観劇できる場として、岐阜県岐阜市内に2011年7月1日に誕生した大衆演劇専用劇場・ぎふ葵劇場。そこでは数々の劇団が華やかな舞踊ショーや笑って泣ける時代劇などを上演し、多くの大衆演劇ファンに愛されてきた。

舞台を中心に、ドラマや映画などで活躍中の俳優・早乙女太一にとっても、同劇場は自身や周囲が変化する時期に公演をしていた場所だ。彼が役者として大きく成長を遂げた瞬間や、二代目座長として率いている劇団朱雀のさらなる飛躍を求めての解散。そして2019年の復活公演では、ぎふ葵劇場史上最高観客動員数を集客し、記録的な大入袋の枚数を残すなど、早乙女の役者人生の節目節目で関わってきた、最も思い入れのある劇場として知られている。

そんなぎふ葵劇場は2020年12月、多くのファンに惜しまれながら9年間の歴史に幕を下ろした。その幕引き公演を担ったのが、同劇場のこけら落とし公演も行った劇団朱雀だ。12月19日から27日に行われたステージでは、一部は早乙女の美しい女形姿が堪能できる舞踊ショー、二部は大衆演劇の醍醐味でもある日替わり芝居、そして三部は全員出演による舞踊ショーと、多彩な魅力がぎっしり詰まった約3時間のエンターテインメントが繰り広げられた。

(C)劇団朱雀(撮影:橋本雅司)

一部の舞踊ショーでは演目を変えたり、同じ楽曲でも衣装や振りに変化を持たせ、二部の芝居では毎公演ごとに演目を変えるなど、毎日通っても飽きることがないという大衆演劇専門劇場の魅力を実感できた。泣けるものから笑えるものまで、さまざまな演目を、早乙女をはじめとするキャスト陣が演じ、その熱量で劇場に足を運んだ多くのファンを圧倒した。

また、2019年に行われた劇団朱雀復活公演同様に、本公演でも豪華ゲストが客演として参加。今回は早乙女と2017年に劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人 上弦の月」、2019年に同劇団「けむりの軍団」で共演した俳優・須賀健太が、そのキュートな笑顔とナチュラルな演技で圧倒的な存在感を舞台上で放った。早乙女と須賀の絶妙な掛け合いのシーンでは、彼らの仲の良さを垣間見ることができる。須賀は三部の舞踊ショーでも大活躍。グループのセンターとして披露した、繊細な声帯から生まれた歌声と渾身のダンスも見逃せない。

本公演でも二代目座長として出演するだけでなく、総合プロデュース・演出、そして振り付けも担当した早乙女。9日間の公演を通して、その多才ぶりとエンターテイナーとしての進化の一端に触れることができた。

文=中村実香

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放送情報

密着・早乙女太一 ~大衆演劇の原点~
放送日時:2021年3月20日(土)20:00~ほか
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
劇団朱雀ぎふ葵劇場幕引き公演
放送日時:2021年3月27日(土)12:30~ほか
※3~5月に全7作品放送
※3月は「上州土産百両首 月夜の一文銭」「金太初旅」「次郎長旅役者」を放送
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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