早乙女太一、劇団朱雀復活に「命を懸けてやれば、何かしらのことができる」

早乙女太一
早乙女太一

俳優・早乙女太一が二代目座長を務める劇団朱雀は、2015年劇団員のさらなる進化を目指し、多くの大衆演劇ファンに惜しまれつつ解散の道を選んだ。それから5年、研鑽をつんだ劇団員と豪華ゲスト、そして劇団☆新感線の座付き作家である中島かずき、スーパー歌舞伎なども手掛ける劇団・扉座の主宰、横内謙介の脚本を得ての復活公演が、2019年11月26日(火)の東京を皮切りに全国4ヵ所で上演される。

その公演の模様と、舞台制作に密着したドキュメンタリーが、日テレプラスとBSスカパー!で放送されることが決定。今回、総合プロデュースに加えて、演出、振付、脚本も手掛ける早乙女太一に、復活公演にかける思いを聞いた。

劇団朱雀への思いを語ってくれた早乙女太一

――早乙女さんにとって、劇団朱雀解散から復活までの5年間は、どんな時間でしたか?

「そもそも解散する決意をしたのが、僕だけじゃなくて劇団員ももっとチャレンジをした方がいいなという強い思いがあったからなんです。僕は劇団をやりながらも、外の世界に出ていろいろやらせてもらっていたんですけど、やっぱり劇団があるとなかなか他にチャレンジする機会がなくなってしまうんですね。劇団員のみんなにも、1人の役者として舞台に立つことがどれだけ大変なことなのか知って欲しいという思いもあって、一度劇団を解散しました。

でも、その当時からお客さんにもお伝えしていたんですけど、それで終わりという訳ではなく、必ずまた集まってやれたらいいなというのはあったので、解散期間はだいたい5年くらいかなってなんとなく決めていて。僕としては、この5年間は復活公演に向けて動いていて、劇団朱雀の公演を観に来たいと思ってもらえるように自分を広めたり、自分の芸を磨く5年間でした」

――劇団員の皆さんはどんな5年間を過ごしたとおっしゃっていましたか?

「5年って僕もそうだったんですけど、あっという間で。全然自分の理想に追いついていないし、もうちょっと復活までの時間を延ばそうかと思ったりした時もあったんです。だから、僕以上に周りのみんなは、たぶん自分の想像や理想というか、もっと力をつけてまた集まるということに対して、不安はあったと思いますね。まだそんなに変われていないんじゃないかな、とかいうのはあったと思います」

早乙女太一

――これまでの想いや不安など、今回の復活公演にぶつけられているのでしょうか。

「そうですね。今回、今まで通りのこともあるといえばあるんですけど、脚本を書いてもらったこともはじめてですし、大衆演劇では毎日ぶっつけ本番で舞台を作っていたのでお芝居の稽古をするのもはじめてなんですよ。そういった面では、いつも通りのこともやるけど、劇団として新しいチャレンジがあるので、今はもう悩む暇も無いから、みんな突っ走っている感じがします」

――稽古場の雰囲気はいかがですか?

「僕が呼んだ人が面白いおじさんばっかりで(笑)。お芝居のことだけ考えていたので、個性のあるおじさん達に舞台に出演してくださいと声を掛けちゃったんです。すっかり踊りのことを忘れていて、決してダンサーでもない、運動神経がいいわけでもないので、毎日悲鳴を上げながら踊りを頑張っていて。こんなに運動量がある舞台ってそんなにないと思うから、毎日汗と悲鳴が上がっているような稽古場です(笑)」

――演者としてはもちろん、プロデューサーにはじまり、演出や脚本、振り付けといったお仕事も全力で手掛ける早乙女さんですが、どのお仕事をされている時が一番楽しいと感じますか?

「裏方の方が好きですね。演出も、演出するにあたってお芝居で使う音楽を決めるのも、振り付けや照明を考えるのもそうですし。それをやっている方が楽しいといえば楽しいですね。演者のみんなを『この人はどうやったら輝くかな』とか『面白いかな』というのを作っていく方が好きです。でも、僕が好きじゃない人を輝かせろとなったらそれは難しいかもしれません(笑)。だから、今は自分の好きな人たちとだからこそ裏方が楽しいのかもしれませんね」

――ということは、今の劇団朱雀の皆さんが大好きなんですね。

「...そういうと気持ち悪いですね(笑)。でも、面白いなって思う人たちがいっぱいいます」

早乙女太一

――さまざまなお仕事をされていて忙しい中で、早乙女さんのプライベートで楽しみにしていることや、癒しの時間があれば教えてください。

「僕、スノーボードが好きで。今回、出演してくださるゴールデンボンバーの喜矢武豊さんは、音楽活劇『SHIRANAMI』で共演させていただいて親しくなったのですが、終わってから何回もスノーボードへ一緒に行ったスノボ仲間なんですよ。唯一の趣味がスノーボードなので、ずっと昔から変わらずリフレッシュできる楽しみなことで。今回の札幌公演は、ほとんどスノボをしに行くのが目的ですね(笑)」

――今回の復活公演の放送と、ドキュメンタリー番組の放送も決定しました。劇団朱雀復活公演を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。

「『何もできなくても自分の命を懸けてやれば、何かしらのことができる』というのが、昔から僕のテーマで。今回の復活公演では個性のあるおじさんたちが、稽古では本当に死にものぐるいで頑張っているんです。その姿ってすごく滑稽なんですけど感動があるんですよ。ドキュメンタリー番組では、自分も含めて本当に醜い部分が浮き彫りになると思いますので、本番までの過程と、そのおじさんたちがいかに輝くのか観てもらえるとうれしいですね。彼らの姿に勇気をもらってもらえたらと思います」

文=中村実香 撮影=富田一也

この記事の全ての画像を見る

放送情報

密着・早乙女太一 ~劇団朱雀復活にかける思い~
放送日時:2019年11月23日(土)17:30~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
放送日時:2019年11月24日(日)17:30~
チャンネル:BSスカパー!
密着・早乙女太一 〜新生「劇団朱雀」始動〜
放送日時:2019年12月21日(土)17:30~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
放送日時:2019年12月23日(月)19:30~
チャンネル:BSスカパー!
劇団朱雀復活公演~中島かずき脚本~「火のないところに男は立たねえ」
放送日時:2020年1月26日(日) 15:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
劇団朱雀復活公演~横内謙介脚本~「安兵衛駆けつけ・高田馬場の決闘」
放送日時:2020年1月25日(土) 19:00~
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物