田原俊彦のまっすぐな演技が感動を呼ぶ!高視聴率を記録した学園ドラマ

「教師びんびん物語Ⅱ」より
「教師びんびん物語Ⅱ」より

「教師びんびん物語Ⅱ」は、田原俊彦演じる熱血教師・徳川龍之介が東京・御茶ノ水の名門私立小学校に赴任する場面から始まる学園ドラマ。前作の「教師びんびん物語」が好評で、パート2として1989年4月に放送開始された。

前作では、少子化に伴う学校の統廃合問題が物語の核となっていたが、本作では中学部進学を目指すエリート予備軍の児童たちを相手に、慣れない進学校での勤務ながらも、持ち前の熱血指導を行う徳川を対峙させ、受験戦争に苦しむ児童たちとの触れ合いを描いている。

「教師びんびん物語Ⅱ」に出演した田原俊彦

(C)東宝

実は「教師びんびん物語」の前に、「ラジオびんびん物語」(1987年)があり、一連のドラマは「びんびんシリーズ」と呼ばれている。「教師びんびん物語Ⅱ」は、最高視聴率31%を記録する人気だった。

びんびんシリーズは、田原俊彦演じる徳川龍之介と後輩ポジションの榎本英樹(野村宏伸)の2人が作品ごとに役どころをチェンジしながら活躍するものだったが、本作でも榎本が後輩教師として登場。熱血漢の徳川と彼を「せんぱ~い」と慕う榎本という2人のコンビネーションが抜群で、まさに両者の当たり役という印象が強い。

(C)東宝

本作は、俳優としての田原の魅力を最大限に引き出したドラマだと言えるだろう。田原は幼少期に父親を亡くして母親に育てられたが、亡くなった父親が小学校の教師だったという。アイドルとして人気絶頂だった当時の田原は、やや軟弱な印象も持たれていたが、もともとは骨太な性格。芸能界で成功して母親に楽をさせたいと思い、ジャニー喜多川に直談判してジャニーズ事務所に入所したという逸話が知られているが、芯が強いのだ。

(C)東宝

本作で演じた徳川は、そんな田原自身の性格がうまく人物像にはまり、まっすぐで熱い、昭和ドラマの真骨頂のようなヒーロー像を作り上げていた。脚本の矢島正雄は、劇画の原作者としても活躍しているが、泣かせるストーリーを描かせたらピカイチの人だ。本作でも、随所に泣かせるシーンが多く、歴代の感涙ドラマの代表作としても名前が挙がるほど。「泣かせ」のストーリーテラーである矢島の脚本と田原の真に迫った演技がマッチして、涙を誘う場面がとにかく多かったのだ。

特に、最終回は、数多くの視聴者が「大号泣してしまった」と今も語り草となっている。教え子を演じた子役たちも演技を超えて本気で泣いてしまっているのがわかり、劇中で田原が流した涙もまさに「本物」だった。当時を知らない人たちが本作を見れば、田原に対する印象も大きく変わるかもしれない。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

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放送情報

教師びんびん物語Ⅱ
放送日時:2021年5月6日(木)12:10~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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