ドラマ「アバランチ」で警視庁の「特別犯罪対策企画室」に左遷された気弱な警察官を演じ、主演の綾野剛から新境地の役柄と評されている福士蒼汰。近年、アクションにも力を入れ、さまざまな役に取り組んでいる福士が初めて狂気を感じさせるダークヒーローにチャレンジした主演ドラマが「DIVER-特殊潜入班-」(2020年)だ。原作は大沢俊太郎による人気コミック。視聴者からも"こんな福士蒼汰は見たことがない"という声が上がった福士の役柄、スリル満点のアクションシーンとは?
■過去の闇を背負って戦うダークヒーロー
福士蒼汰演じる黒沢兵悟は秘密裏に結成された「潜入捜査官チーム」(通称D班)の一員。10代の頃、窃盗や暴力事件の常習犯だったにも関わらず、チームに加わることになったのは黒沢のIQが高く、判断能力、身体能力も備わっていたから。その資質が兵庫県警本部長を務める阿久津(りょう)の目に留まったのがきっかけとなった。
D班のメンバーは"最強で最凶"と呼ばれる強者揃いで、特殊詐欺グループやテロに関与した貿易会社などの危険ゾーンに潜入し、1歩間違えれば命を落としかねない特殊な捜査に当たっていく。「危険すぎるでしょ。黒沢兵悟は」と言われる黒沢の過去の闇が顔を覗かせる狂気の表情、冷酷な言動は"爽やかなイケメン"という福士蒼汰のイメージから見ると、そのギャップに驚かされるだろう。
■カーチェイスやアクションシーンも満載
手段を選ばない危険な捜査で犯罪者を追い詰めていくだけあって、アクションシーンも見どころのひとつ。同じD班に所属している元自衛官のエリート・佐根村役を演じる野村周平と福士はドラマ「恋仲」以来、5年ぶりに共演を果たし、対照的な2人のバディぶりも話題となった。福士は「仮面ライダー」以来の喧嘩殺法でリアルアクションシーンを見せ、元自衛官役だけあって無駄のないフォームで戦う野村と絡む場面も登場する。
そして福士が潜入先で怪しまれないように七変化を遂げる設定なのも視聴者を楽しませたポイント。闇金会社や大学のグルメサークルなど、あらゆる場所に自然に溶け込み、潜入する黒沢。周囲の者は黒沢を信用するが、黒沢は水面下では事件解決に向けて着実に動いているのだ。悪の根源を駆逐するためなら手段を選ばず、多少の犠牲はいとわない。時折見せる黒沢の冷酷な目つきが、それを物語っているように見える。
文=山本弘子
放送情報
DIVER-特殊潜入班- 全5話一挙放送
放送日時:2021年11月15日(月)16:40~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
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