結末を知ると見返したくなる小松菜奈の演技に注目!福士蒼汰のピュアな笑顔も魅力の映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

ファンタジーラブストーリー映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)。七月隆文による同名大ヒット小説を原作に、『ソラニン』(2010年)や『ホットロード』(2014年)で知られる三木孝浩監督が、青春ロマンス『アオハライド』(2014年)以来となる脚本家・吉田智子と再びタッグを組んで映画化した。主演に福士蒼汰、ヒロインを小松菜奈が務め、古都・京都を舞台に爽やかで切ないストーリーが展開する。美大生の"ぼく"が彼女に一目惚れしたことから2人の間に隠された大きな秘密と運命が解き明かされていく。

京都の美大に通う20歳の学生・南山高寿は、通学途中に出会った女性・福寿愛美を一目見た瞬間、恋に落ちた。 勇気を振り絞って声をかけ、「また会える?」と約束を取り付けようとすると、彼女はなぜか突然泣き出してしまう。彼女の涙の理由を知る由もない高寿だったが、2人は意気投合し交際をスタートする。誰もが羨むくらいに順調で、すべてが上手くいくものだと信じていた。しかし、高寿はある日、愛美から想像もできなかった彼女の秘密を明かされる。

(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

主人公の"ぼく" 南山高寿は、福士が演じた。近年では、2023年1月に放送予定のドラマ10「大奥」「3代・徳川家光×万里小路有功編」でメインキャストを務め、出演する海外ドラマ「THE HEAD」のSeason2も同じく2023年に世界同時放送&配信を予定している。活躍めざましい福士だが、 当時は2013年前期連続テレビ小説「あまちゃん」で一大ブレイクを果たした後、「きょうは会社休みます。」(2014年)や『ストロボ・エッジ』(2015年)など、数々の恋愛物語でも存在感を発揮していた。本作では、本当の恋を初めて知った純朴な青年を好演している。高嶺の花である彼女と恋人同士になれたことに舞い上がる姿が初々しく、やや強引な彼女に振り回される感じも微笑ましい。悪友に真剣に恋の相談をし、デートを成功させようと一生懸命になる。好きが溢れたピュアな笑顔と、彼女の言動に戸惑いながらも嘘のない優しさで向き合う誠実さが眩しい。

小松は、美容師の専門学校に通うヒロイン・愛美を演じた。感動のラブストーリー『糸』(2020年)では第44回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞、今年3月に公開した映画『余命10年』では坂口健太郎とW主演を務め、全身全霊の演技が話題を呼んだ。演技派女優として高く評価されている小松だが、本作の公開当時から気鋭の若手女優だった。長編映画初出演を果たした『渇き。』(2014年)で、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数の新人賞を受賞。危うげな妖艶さと可憐さを併せ持つ、不思議な魅力を放っていた。本作では王道のヒロインぶりを発揮。出会いの場面でのキラキラ輝く透明感に一瞬で目を奪われる。待ち合わせ場所に小走りで駆け寄り、美味しそうにピザを頬張る。感情豊かでコロコロ変わる表情もはっきりとした物言いも魅力的で、主人公でなくとも恋に落ちてしまいそうだ。時折見せる物憂げな瞳や不思議な言動がエキゾチックな小松の顔立ちと相まって、ミステリアスさにも心惹かれる。過去と現在とが交錯する難しい役どころを丁寧に演じた。

(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

近年よくあるラブストーリーのように前半では、"ぼく"の部屋で手料理を振る舞い、髪を切るカップルらしいシーンも爽やかで、夜の駅のホームでのキスシーンもロマンティックだ。そして、タイトルの「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が出た瞬間から、物語はがらりと雰囲気を変える。泣き虫なはずの彼女が淡々と語る秘密に鳥肌が立つ。彼女の秘密を知った時、あの涙や表情、不自然な言動の意味が分かる。全て分かった上で明るく振る舞う彼女の健気さが切なく、秘密を悟らせない小松の繊細な演技が素晴らしい。そして、その事実を知らされたぼくの戸惑いや複雑な心情の変化を福士が痛々しいほど真っ直ぐに演じた。

ラストに向けて物語は少しずつ切なさを増していく。秘密を抱えつつ覚悟と芯の強さを感じさせる小松と、彼女を温かな愛のこもった優しい眼差しで見つめる福士。2人は原作の世界観を見事に再現した。結末を知れば、もう一度見返したくなるに違いない。

文=中川菜都美

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放送情報

ぼくは明日、昨日のきみとデートする
放送日時:2022年12月8日(木)13:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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