世の中にあふれている不倫。果たして、不倫をする人はパートナーを裏切った自分が悪いと思っているのかどうか。ホームドラマチャンネルで1月6日(木)より放送されるドラマ「サレタガワのブルー」は、パートナーに不倫"された"人たちの苦しみを描いた作品だ。主人公は人気デザイナーで家事万能な優しい夫・暢(のぶる/犬飼貴丈)。結婚した藍子(堀未央奈)は彼の前ではかわいい妻を演じながら会社の上司と情事を重ねており、ピュアな暢は妻の本性を知って衝撃を受ける。
悪女とも言える藍子を演じたのは、元・乃木坂46の堀未央奈。女優として大きなチャレンジをした作品となった。地上波での放送時は、グループを卒業後初めての主演ドラマでアイドルイメージとは真逆の女性を演じることについて「不安だった」と明かし、相手役の犬飼が「堀さんが原作と台本を読み込んで、人物を理解しようと頑張った結果が表れていて、(演技は)圧倒的でした」と言ってくれたことを喜んでいた(「サレタガワのブルー」悪女役・堀未央奈の演技に犬飼貴丈「本当に心をえぐられるような...」<インタビュー>、webザテレビジョン2021/06/25掲載記事)。
たしかに堀の演技は圧巻だ。藍子は彼女にぞっこんだった暢からも"アイコパス"と呼ばれるほどの身勝手ぶりで、自己中心的な本性を露わにしていく。浮気していることを隠し、問い詰められても認めないのはもちろん、逆に夫のことをひどいとなじり、あろうことかSNSの匿名アカウントでは自分のリア充ぶりをアピール。罪悪感はゼロで、どんなにすごい修羅場になっても自分が得することしか考えていない。堀は「暢に藍子はうそをつくけれど、自分にうそはついていない。正直過ぎて、同性の私から見ればすがすがしい気すらします。もう私しか藍子を愛せないと思って演じました」とも語っている(前出のwebザテレビジョン2021/06/25掲載記事)。自己愛の強すぎる藍子にとっては、夫も浮気相手も、承認欲求を満たしてくれる熱心なフォロワーでしかなかったのかもしれない。
そんな藍子のモンスターぶりがこのドラマの最大の見どころだが、原作漫画が「読めば必ず"不倫したくなくなる"」と銘打っているとおり、もし結婚相手に浮気されたらどうすればいいのかが分かる"サレタガワのマニュアル"としても役立つ。暢は離婚を決意すると、すぐに弁護士に相談。弁護士から「情は禁物。『悪は成敗する』の気持ちで堂々と、しかし虎視眈々と証拠を集めてください」と言われ、妻を尾行する。そこで藍子とダブル不倫を続ける和正(岩岡徹)の妻・梢(高梨臨)とばったり出会い、2人で協力して離婚を成立させようとするのだ。不実な夫を完全に見限り、「愛している」と言われても一歩も譲らない梢の毅然とした態度もまた痛快。不倫する人が結婚相手に謝罪の気持ちを持っているかどうかという問いの答えも、ラストシーンで明らかになる。
文=小田慶子
放送情報
サレタガワのブルー
放送日時:2022年1月7日(金)3:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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