菅田将暉東出昌大が親子!? 『ごちそうさん』の魅力に今あらためて迫る

NHKの連続テレビ小説、通称「朝ドラ」をきっかけにブレイクを果たした俳優は数知れない。そんな中でもいまやメディアで見かけない日はないといっても過言ではない俳優たちが複数出演していたのが『ごちそうさん』だ。

杏が主演を務め2013年下半期に放映された『ごちそうさん』は、大正~昭和という激動の時代、生きるために必要なたくましさを身に着けながら明るく生きた「女の半生記」と、「大阪の街の変遷」や「食文化」なども描いた物語。「嫁・小姑問題」から、売れっ子フードスタイリスト飯島奈美が監修する「ごはん」、過去に実在した幻のスイーツ「焼氷(やきごおり)」を再現するなどの見どころもありながら、愛着の湧く人間くささ全開の人物が次々登場した。杏の夫役を演じた東出昌大を始め、当時は今ほどの知名度ではなかった、高畑充希、菅田将暉、ムロツヨシらが主要な役柄で出演し、その後、注目されるきっかけを作った。

ヒロインの相手役に抜擢された東出昌大の出世作

2017年上半期を代表する地上波TVドラマのひとつ、『あなたのことはそれほど』(TBS系)における怪演で役者としてさらに一つ上のステージに進んだと話題を呼んだ東出昌大。そんな東出の『ごちそうさん』出演当時の状況を振り返ると、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)の、「イケメンで内面も適度に繊細な野球部員」という役どころでデビューし、世間的にも認知が高まって来た頃。日本アカデミー賞新人俳優賞なども受賞し、期待のホープが朝ドラ準主役に「抜擢」された、という状況であった。

「根は優しいが思ったことをぶっきらぼうに口にしてしまう理屈っぽい帝大(現在の東京大学)生~建築家の公務員」という役どころの魅力を、飄々とした台詞回しで最大限に引き出し、このインテリ系のツンデレ感にやられた女性ファンも多い。また、朝ドラオタク的には、2013年上半期の朝ドラ『あまちゃん』の数話に、主人公の母親に恋する人物の少年時代役で登場した東出が、大きくなって戻って来た感もあり、さらに注目されることになった。

菅田将暉の「好青年」ぶりも必見

主人公め以子(杏)と悠太郎(東出)夫婦の長男・西門泰介を演じたのが、今、もっとも勢いのある若手俳優の菅田将暉。舞台が昭和15年(1940年)に移る第97話から登場する。この時点では中学生という設定で、そこから野球部員として甲子園を目指す高校生、そして京都帝国大学生という父親譲りの「文武両道」な少年の成長の過程を、実年齢19歳で演じた。菅田は2009年『仮面ライダーW』で主演を務め、『大切なことはすべて君が教えてくれた』、『泣くな、はらちゃん』、『35歳の高校生』などの人気ドラマに出演していたが、老若男女に強烈にその存在を知らしめたのは、この『ごちそうさん』だろう。実年齢でいえば杏とは7歳、東出昌大とは5歳しか離れておらず、メイクや衣装のチカラも借りつつではあったが、三者それぞれのアプローチで「親子」を演じきった。

戦時中の男子学生ということもあり、坊主頭と凛々しい太眉毛が印象的な利発な泰介の風貌は、普段のスタイリッシュな菅田の姿とはかなりのギャップがある。イケメンからチャラ男、粗暴な男まで幅広く演じ分ける「カメレオン俳優」としての一端は、この『ごちそうさん』でも遺憾なく発揮されている。母を支える頼もしさをもつ息子としての表情や実直な口調は、お茶の間の好感度も高かった。その後、俳優としてはもちろん、歌手デビューもするなど活躍ぶりはご存じのとおりだ。

成功する朝ドラの登場人物たちには愛着が湧くケースが多いが、「『ごちそうさん』の○○くん」という愛着を持たれ続けながらも、4年の間にそれぞれに代表作を更新していった東出と菅田。その後の成長ぶりを祝福しながら観る再放送というのは、視聴者としての歓びの一つである。

Writer:森田美喜子

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

【ファミ劇 黄金タイム】 <「ごちそうさん」CS初放送!食欲の秋ドラマSP> (新)連続テレビ小説 ごちそうさん #1,2,3,4,5,6

放送日時:2017年9月21日(木)21:00~

チャンネル:ファミリー劇場HD

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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