河合優実の"リアルな表現力"が心を打つ...若手屈指の実力派俳優が魅せる「あんのこと」

俳優

「あんのこと」
「あんのこと」

Ⓒ 2023『あんのこと』製作委員会

確かな存在感と、観る者を引き込むリアリティあふれる表現力で、日本映画界を牽引する若手俳優の1人となった河合優実。

2021年公開の映画「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞をはじめ、数々の新人賞を受賞。2022年には第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された「PLAN 75」に出演するなど、さまざまな作品で鮮烈な印象を残している。そして、2024年にはドラマ「不適切にもほどがある!」で幅広い層から注目を集めた。

そんな彼女の代表作の1つが、8月16日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される「あんのこと」<PG-12> (2024年)だ。

■出演作品をチェック

河合優実の圧巻の演技が高く評価された「あんのこと」
河合優実の圧巻の演技が高く評価された「あんのこと」

Ⓒ 2023『あんのこと』製作委員会

本作は、12歳で母親から売春を強いられるなど過酷な家庭環境で育ち、薬物依存に陥っていた河合演じる21歳の女性・香川杏(以下、杏)が、周りの人々の支援を受けて更生への道を歩み出すものの、新型コロナウイルスの感染拡大によって再び人生が大きく揺さぶられていく姿を描いた、日本で起きた実際の出来事から着想を得た社会派ドラマだ。河合は、モデルとなった女性への深い敬意を胸に、その複雑な心情を繊細に演じきった。

本作は社会問題を描くだけでなく、その渦中で懸命に生きようとする1人の女性の尊厳を見つめた作品でもある。台詞だけに頼るのではなく、うつむきがちな姿勢やわずかな視線の揺れ、抑えた声色といった細やかな表現を積み重ねることで、傷つきながらも懸命に生きようとする杏の姿を、確かな実在感をもって体現している。その熱演で、河合は第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、第34回日本映画批評家大賞主演女優賞や第2回ダナン・アジアン映画祭最優秀女優賞など、数々の映画賞を受賞した。

「あんのこと」
「あんのこと」

Ⓒ 2023『あんのこと』製作委員会

加えて、杏を救おうとする刑事・多々羅保役の佐藤二朗や、杏と多々羅を取材する週刊誌記者・桐野達樹役の稲垣吾郎など、河合の脇を固める実力派俳優にも注目したい。佐藤は杏の更生を願い、不器用ながらも真摯に向き合う刑事を抑制のきいた演技で見せている。

稲垣演じる桐野は、記者として杏と向き合い、彼女の言葉に静かに耳を傾け続ける。記者としての使命と、1人の人間として杏を案じる思いの狭間で揺れ動く人物像を深みのある演技で表現している。立場の異なる2人が、それぞれの形で杏を支える姿も本作の見どころの1つだ。

この記事の全ての画像を見る
次のページへ
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2
Person

関連人物