松坂桃李がハンデを抱えながらも相手を一途に思う青年を演じたドラマ「パーフェクトワールド」

松坂桃李が主演を務めるラブストーリー「パーフェクトワールド」がホームドラマチャンネルで5月29日(日)に放送される。原作は有賀リエの人気コミックで、松坂が演じる主人公は学生時代の事故で下半身付随になり、絶望から立ち直って一級建築士になった鮎川樹。インテリアデザイン会社で働き、高校時代の初恋の人である鮎川と再会を果たすヒロイン・川奈つぐみを山本美月が演じている。

「パーフェクトワールド」に出演する松坂桃李と山本美月
「パーフェクトワールド」に出演する松坂桃李と山本美月

(C)有賀リエ・講談社/カンテレ

恋愛ものであることもさることながら、身体が思うように動かせない鮎川の苦難や、内面の喜怒哀楽を表情ひとつで表現する難役。松坂は原作のモデルとなった人物の仕事場や自宅を訪ね、その日常生活に触れることで、車椅子での演技を自然に見せるための練習を重ねたという。「好きになった人を守ることさえできないのでは」という葛藤に苦しみながら、頑なだった心を徐々に開いていく鮎川を見事に演じ切った松坂の演技や、物語の見どころとは?

■無力な自分に苦しむ松坂桃李の表情が切ない

バスケ部のキャプテンで女子生徒からモテモテだった鮎川のキラキラした青春時代は、突然の事故で一転。一時は自暴自棄になるが、看護師でのちにヘルパーとなる長沢(中村ゆり)の献身と励ましに支えられ、夢だった建築士として活躍するようになる。

ある日、事故のことを全く知らなかった高校時代の同級生、つぐみと再会。心配し、自分を犠牲にしてでも一生懸命に尽くしてくれる彼女に惹かれていく気持ちはあるものの、普段は明るく振る舞っていても、「恋も結婚もしない」と決めている鮎川の心の扉は閉ざされていた。会社の後輩で障がいのある渡辺晴人(松村北斗)が上司に建築士の試験を受けるように言われ、「平気なふりして生きてるだけなんだって!」と感情を爆発させるシーンは象徴的だ。いつもは陽気な晴人を心配し、穏やかな微笑みを浮かべながら自分たちの心情を語り、後輩を諭す松坂の存在は、純愛ラブストーリーにとどまらない深みを感じさせる。

(C)有賀リエ・講談社/カンテレ

(C)有賀リエ・講談社/カンテレ

そして、つぐみを愛おしく思えば思うほど、いざという時に好きな人を助けられない不甲斐なさ、合併症のリスクを抱えながら生きる自分へのいら立ちともどかしさに揺れ動く松坂の表情が胸に迫ってくる。

■立ちはだかる壁の連続...純愛の行方は?

誰かに迷惑をかけたくないという思い、自分が幸せを求めることが好きな人に犠牲を強いることになるという考えが心のストッパーとなる鮎川。鮎川の支えになりたいあまりに一途さが時に暴走するつぐみ。2人の距離は埋まりそうで埋まらない。そんな中、鮎川に襲いかかる最大のピンチが結果的に心の殻を破ることになるのだが、絶対絶命の状況でつぐみの笑顔がフラッシュバックする松坂の緊迫感溢れる演技は見逃せないポイントのひとつだ。

(C)有賀リエ・講談社/カンテレ

つぐみに片思いし続け、彼女のためならどこにでも駆けつける幼なじみの是枝(瀬戸康史)、つぐみの存在に嫉妬を抑えきれない長沢、鮎川との交際に反対する妹のしおり(岡崎紗絵)など、相手を思うがゆえにすれ違うという意味では誰もが"片思い"をしている本作の結末は?しおりがふとした時に放った「気づかないんだよね。その人に興味ないと」という台詞など、数々の恋の名言が生まれたところにも注目してほしい。

文=山本弘子

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放送情報

パーフェクトワールド
放送日時:2022年5月29日(日)0:30~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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