当時10代のチャン・グンソクの瞳に魅了...秋元康原作のJホラーで見せた堀北真希黒木メイサの迫真の表情

「着信アリFinal」
「着信アリFinal」

企画・原作を務める秋元康が"地上波の限界と言われる怖いドラマ"に挑み、7月11日より放送がスタートした「赤いナースコール」(テレビ東京系)。"5分に1回の恐怖"がテーマとされ、主演の佐藤勝利(Sexy Zone)の恐怖に慄く表情が早くも話題を呼んでいるが、その秋元康が原作を務めたホラーとして大ヒットした作品が、「着信アリ」シリーズだ。

全3作が製作され、連続ドラマ化もされた同シリーズの中でも、堀北真希と黒木メイサをW主演に迎え、舞台を韓国・釜山へと移したシリーズ最終章が『着信アリFinal』(2006年)。日韓合作ならではのスケール感に加え、当時ブレイク直前だったチャン・グンソクが映画デビューを飾ったことでも話題を集めた。

柴咲コウが主演を務めたホラー「着信アリ」
柴咲コウが主演を務めたホラー「着信アリ」

(C)2004「着信アリ」製作委員会

「着信アリ」は、携帯電話が引き起こす恐怖の連鎖を描いた人気サバイバルホラー・シリーズ。柴咲コウ主演の第1作『着信アリ』(2004年)、ミムラ(現・美村里江)主演の第2作『着信アリ2』(2005年)というキャスティングも奏功し、どちらもアジアを中心に大ヒットを記録。特に興収15億円超を叩き出した1作目は、『ワン・ミス・コール』(2008年)としてハリウッドリメイクもされるなど、国内外で大きな反響を巻き起こした。

全3作に共通するのは、自身の携帯番号から"死の予告電話"の着信があること。着信時刻は自分が死ぬ未来の時刻で、電話口から聞こえてくるのは、自分自身の最期の瞬間の叫び声だ。

「着信アリ2」
「着信アリ2」

(C)2005「着信アリ2」製作委員会

その世界観が引き継がれた『着信アリFinal』では、新たに"転送スレバ死ナナイ"というルールが追加。もし"死の予告"を告げる着信を受けても、誰かに転送すれば死の運命から逃れられる設定が加わったことで、今作でのサバイバルはより修羅場と化していくのだ。

今回、死の連鎖の発端になるのは、修学旅行で韓国を訪れていたある女子生徒の携帯に、"死の予告"が届いたこと(しかも着信があったのは未来の時刻で、自分の首つり画像が添えられていた)。やがて予告通り、女子生徒は謎の死を遂げ、その後も次々と生徒たちに連鎖していく。えみり(黒木メイサ)らクラスメイトがパニックに陥る中、ただ一人、いじめを理由に修学旅行に不参加となっていた明日香(堀北真希)に疑いの目が向けられる。

次第に、明日香が自殺を図った事実や、"死の予告"の元凶となる存在が明らかにされる中で、えみりが韓国在住の男友達・アンジヌ(チャン・グンソク)の協力を得て反撃を開始する...という怒涛の展開が繰り広げられていく。

明日香に扮した堀北は、優しいが故にいじめに苦しむ素顔と、呪いの元凶に憑りつかれた姿という二面性を巧みに表現。怒りに震え、突然笑い出すなど狂気に溢れた演技を見せる一方、終盤では「ラクになりたくて死ぬことにしたのに...怖くてたまらなくて」と涙ながらに打ち明ける場面もあり、健気で儚い少女は見る者を惹きつけた。

「着信アリFinal」
「着信アリFinal」

(C)2006「着信アリFinal」製作委員会

一方、黒木演じるえみりは、明日香の小学校からの幼なじみ。明日香をいじめから守れなかったことを悔い、明日香を信じようと最後まで尽力する。「死の予告電話、私に送って?私は誰にも転送しないから」と呼びかける姿は真摯で、強く美しい。我先にと"死の予告"の着信メールを転送する生徒たちとは対照的だ。

そして、えみりを支えるのが、当時はまだ10代だったチャン・グンソクが演じるアンジヌ。えみりとはネットで知り合った韓国人男性という設定で、聴覚を失っており、劇中では手話で会話する。

「着信アリFinal」
「着信アリFinal」

(C)2006「着信アリFinal」製作委員会

怯えるえみりを励まし、最後まで体を張って守ろうとする誠実さに満ちたアンジヌ。グンソクは全編手話という難役を見事にこなしているだけでなく、目で語る演技力も印象的だ。えみりに向けて、「伝えようとしなければ、君の思いは永遠に届かない」と手話で真っすぐ気持ちを伝える瞳の強さには、彼女を守りたいという強い思いが滲む。

公開から16年もの時が流れ、グンソクも今や30代ならではの深みが増した大人の男性に。6月には約4年半ぶりに来日を果たしファンミーティングを開催、8月31日(水)には新シングル「Beautiful」をリリースする。そんなグンソクのブレイク前の初々しい輝きにも注目しながら、今では実現しようのない主演女優2人の競演を改めてじっくりと味わってみてはいかがだろうか。

文=酒寄美智子

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放送情報

着信アリ
放送日時:2022年8月2日(火)1:15~
着信アリ2
放送日時:2022年8月3日(水)1:30~
着信アリ Final
放送日時:2022年8月4日(木)1:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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