竹内結子が頭脳を駆使して社会の裏の情報を操作する!現代社会の闇についても考えさせられるドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」

社会の裏でうごめく情報を思いのままに操り、張り巡らせた戦略で世論さえも動かす...。そんな情報操作のプロである"スピン・ドクター"を竹内結子が演じるドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」。竹内が演じる氷見江は弁護士でありながら、彼女の戦場は法廷の外。危機管理を専門とする氷見はマスコミや政治家までも意のままに動かして印象操作を行い、スキャンダルにより窮地に陥ったクライアントを救い出していく。

クライアントと対峙する竹内結子
クライアントと対峙する竹内結子

©共同テレビジョン

氷見が勤める法律事務所には、毎回さまざまなスキャンダルにより苦境に追い込まれたクライアントが駆け込んでくる。セクハラを告発された大企業の上役やパワハラ疑惑が浮上した大物作家など、クライアントはひと癖もふた癖もある人物ばかり。さらに彼らはなかなか本音を明かさず、利害関係や思惑が絡み合っていく。ミステリーや捜査ものの一面がありながらも、クライアントが完全な善人と言えないこともあって単純な勧善懲悪の構図ではない点が本作の魅力の一つだ。

また、そんなクライアントの依頼を通じて、本作はアイドルの裏の顔やママ友たちの嫌がらせ、電子マネー詐欺や学術論文の不正疑惑など、日々ワイドショーを賑わせる時事的なテーマに果敢に切り込んでいる。テレビ局や週刊誌などマスコミの動きをも利用する氷見の手腕を通じて、情報がものをいう社会の裏側が垣間見えることも興味深い。何が正しくて、何が嘘なのか。氷見の作戦によって容易に風向きを変える世論を目の当たりにすると、現代社会に対する疑問さえ浮かび上がってくる。

竹内が演じる氷見はクライアントを99.9%の確率で救ってきた敏腕弁護士だが、ニコニコと笑いながら同僚である与田(水川あさみ)と軽口を叩きあったり、後輩の藤枝(中川大志)をいじり倒したりもする。しかしスキャンダルと対峙する彼女の瞳には、手加減というものが一切感じられない。使えるものならば何でも利用し、頭脳を駆使して大胆な作戦に出る氷見は、竹内自身がインタビューで語っていたように"しなやかさ"と"したたかさ"を持ち合わせた女性だ。そして竹内は、その氷見の強さを見事に演じきっている。

©共同テレビジョン

本作で竹内は「かっこいい女性」を演じているが、そのかっこよさは自身を前面に押し出すようなものではない。氷見自身が表に出る役回りではなく、依頼人の影であらゆる情報をクライアントが有利になるように動かす裏方だからでもあるだろう。真っ向からぶつかっていく強さというよりも、どんな状況でも決してひるまず、笑って切り抜けられる強さ。竹内の佇まいやセリフのひとつひとつから、氷見のしなやかな強さが感じられる。

ワイドショーにはスキャンダルが溢れ、ひとたびアラが出るとすぐさまネットで叩かれてしまう世の中。そんな不寛容な時代を生き抜こうとするならば、竹内が演じる氷見のような、しなやかな強さが必要なのかもしれない。

文=本永真里奈

この記事の全ての画像を見る

放送情報

スキャンダル専門弁護士 QUEEN
放送日時:2022年9月25日(日)10:50~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード