ドラマ「silent」での優しく切ない演技も話題!鈴鹿央士の魅力は1つ1つのシーンを味わい深いものにする演技力

(C)2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

そんな陽が想いを寄せるのが、幼なじみで同じ美術部に所属する陸だ。陸は、仕事で海外を飛び回る父がほとんど家にいないため、家庭に寂しさを感じていた。また、生まれつき心臓に異常があり、手術をする必要があるという。

家族、身体のこと、相手への気持ち。さまざま状況と思いが交錯し、2人を包み込む。そんな中にあって、鈴鹿の演技によって純で優しい陸の存在が、より印象的なものとなって画面に映し出される。

最初に仲間と喫茶店で語らっている時、食事の支度をしに帰る陽を送る陸の笑顔はこの上なく優しく、その一場面だけで陸がどんな少年なのか感じ取れるほど。父が飛び回る世界地図を眺める時は無防備で愛らしく、陽の家でひなたと遊ぶ時は、ひなたを喜ばせようとする微笑ましい姿を見せてくれる。

陽をデートに誘う時の照れと決意が入り混じった言動は、くさい言い方だが「青春」を感じさせ、とても共感できるシーンとなっている。

また、物語が進むにつれて、陸が自分の本音を吐露したり、周囲の人々の思いが露わになったりという場面も増えてくる。陽に呼び出された時の戸惑い。自分の家族への気持ち、また母の家族へ思い。そこに大きな目でじっと話を聞く、素直で、思いやりのある"鈴鹿演じる陸"がいることで、それぞれのシーンがより優しくて、味わいのあるものとなっているのだ。

「淡く 強く 大人になる」をキャッチコピーとした本作は、全体を通じてゆっくりと、静かな雰囲気で進んでいく。微笑ましいシーンや涙がにじむシーンなどもたくさん散りばめられている。雨に濡れると白い花びらが透明になる花「サンカヨウ」のように、周囲の人々の思いを受けながら大人になってゆく鈴鹿演じる陸の姿、そしてその演技力を、ぜひ本作で味わってほしい。

文=堀慎二郎

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放送情報

かそけきサンカヨウ
放送日時:2022年11月24日(木)4:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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