
――『バットマン』という作品に対する印象はありますか?
水崎「80年を超える歴史を持つ偉大なキャラクタータイトルですが、そこまで長いともう世界観や表現も出尽くたのでは?と思わせる"何でもあり"な表現に満ちている印象です。
60年代のドラマのバットマン・シリーズのポップさやティム・バートン版のファンタジー感に溢れるバットマンなど、オリジナルの芯が強いからこそ遊びの幅を広げても全てを包括できる素晴らしい世界観のコンテンツで、本作もその"寛大さ"にずいぶん甘えさせていただきました。感情を見せない主人公キャラクターを、さまざまな個性的な変人が周囲を彩ることで、真面目で冷静で動じない主人公を強い個性として浮き上がらせる斬新なキャラクター配置を成立させた偉大な原点作品だと思っています」
高木「バットマンは、自分も子供の頃からTVシリーズなどで見ていた、歴史のあるDCコミックスの中心的なIPですし、影のあるアメコミヒーローとして親しんできました。
映画でも、ティム・バートン監督作品のように戯画化した作風からクリストファー・ノーラン監督のダークナイトのように非常にリアルで深みのある作品まで幅広く映像化されています。ニンジャバットマンについては、前作のハチャメチャなところは引き継ぎつつも、こうした過去の映像作品に引き継がれていたバットマンのダークさが滲み出ると良いと思っていました。たぶんブルースの性格の悪さみたいなものがそれに当たると思います」
――豪華なキャスティングも魅力ですが、キャスティングの際に意識されたことを教えてください
水崎「キャスティングは里見プロデューサーや岩浪音響監督によるものですが、良いお仕事をされる方たちばかりでしたので収録はとてもスムーズで、こちらが考えすぎなくても積極的な提案を入れてくださり楽しい時間となりました」
高木「中島さんは、脚本を書く際かなりキャスティングを意識して進められていたようなので、中島さんからのキャスティング提案を尊重していたので、自分からキャスティングに意見は出していません。また基本的にバットマンやジョーカーなどは前作に引き続いて担当していただいています」
――収録時印象に残っている声優さんとのやりとりはありますか?
水崎「時折入る、笑いを産みたい箇所に関しては掛け合いの間合いにリクエストなどを入れさせていただきました。
特にナイトウィングの小野さん(小野大輔)には、キャラクターの内面の謎めかしさが出るよう違和感のあるテンションやタイミングをリクエストしております」
高木「最初の収録はアニメーション作業が始まる前に役者さんごと別々にプレスコ(先に音声を収録してから映像や絵を作る録音方法)として行いました。どなたもそれぞれの役にハマっていて、後でアニメーション作業を進めるのが楽しみで仕方ありませんでした。その中で印象的だったことと言えば、上川さん(鋼の闇悪役・上川 隆也)のプレスコ収録が一通り終わったとき、脚本の中島さんから最初からもう一度やってみてはどうかと提案があって、収録しなおしたことです。最初のテイクでも十分うまいと思って聞いていたのですが、上川さんもやり直すことでより役に入った感じで、とても感情のこもった演技をされていて感銘を受けました」
――作品を見る方に向けてメッセージをお願いします
水崎「一回の視聴では受け止めきれない情報量ですが、それでも楽しめるように作りました。気に入っていただけましたら2回、3回と繰り返し楽しんでください。そのくらいでちょうどいいようになっています」
高木「映画館で見ていただく作品として作っていたので、もし可能であれば、大きい画面や5.1chなどの音響設備の整った環境で見ていただければ、より作品世界に没頭できると思います」

文=HOMINIS編集部
作品情報
『ニンジャバットマン対ヤクザリーグ』
2025年3月21日(金)日本国内の各プラットフォームにて配信開始
詳しくは
こちら
コメント