タイトル奪取を続ける豊島将之竜王が初防衛を目指す!「第33期 竜王戦七番勝負」

2018年に初タイトルの棋聖を獲得し、以来次々とタイトル戦に出て奪取を繰り返している豊島将之竜王。相変わらずの強さを誇っている反面、防衛戦では苦戦が続いている。

2019年の棋聖戦では挑戦者に渡辺明二冠(当時)を迎える。第1局こそ大熱戦を制したものの、第2局から3連敗で失冠。続く王位戦は木村一基九段が挑戦者に。第1局は圧勝、第2局は大逆転勝ちですんなり初防衛を達成する雰囲気に思われたが、そこから木村の逆襲が始まる。結局は3勝4敗のフルセットで敗れ、史上最年長初タイトル獲得を献上することとなった。

2020年コロナ禍の中で行われた名人戦の防衛戦はまたも挑戦者に渡辺明三冠(当時)を迎える。一進一退の激戦だったが2勝4敗で敗れてしまった。

羽生善治九段との対局に注目が集まる豊島将之竜王

防衛戦こそ3連敗しているが、その間にもタイトル奪取を続けている。昨年の竜王戦では広瀬章人竜王(当時)に初挑戦。終盤の難解な戦いを競り勝ち、当時持っていた名人と合わせ、史上4人目(羽生善治九段、谷川浩司九段、森内俊之九段以来)の竜王名人同時獲得となった。

今年の叡王戦にも挑戦。永瀬拓矢叡王(当時)との七番勝負はいきなり第1局が千日手。指し直しを豊島が制したが、続く第2局、第3局はどちらも相入玉から持将棋引き分けとなる。タイトル戦での持将棋はほとんど出ず、10年に一度程度の珍事のため、1つの番勝負に2度持将棋が出たのは初めてである。結局はフルセットかつ2度の引き分けを含む10番勝負の末を豊島が制して、竜王と合わせ二冠に復位した。

縁のなかった全棋士参加棋戦優勝も、昨年の銀河戦でついに成し得た。決勝は渡辺明三冠(当時)を破る文句なしの優勝で、早指しにおいても強さを見せている。

既にトップ棋士に上り詰めている藤井聡太二冠にもこれまで6戦全勝。若き王者の最大の壁としても君臨を続けている。

激戦の王将リーグでも挑戦争いに加わっている。3回戦の広瀬章人八段との将棋では苦しい将棋を粘りに粘って持将棋に持ち込む。叡王戦と合わせると今年3度目の持将棋だ。指し直しも逆転で制し、泥仕合における強さもいかんなく発揮している。王将戦では2度挑戦経験があるものの獲得経験はなく、今回は3度目の挑戦を狙っている。

4度目の防衛戦となる今年の竜王戦。挑戦者は2年ぶりのタイトル戦登場で、タイトル通算100期の懸かった羽生善治九段。第2局を終えて1勝1敗となっているが、今度こそ初防衛を成し遂げることができるか。注目のシリーズだ。

文=渡部壮大

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放送情報

(生放送)第33期 竜王戦七番勝負第3局 2日目 豊島将之竜王 vs 羽生善治九段
放送日時:2020年11月8日(日)8:50~、14:00~
※対局終了まで延長放送
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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