激戦が続く竜王戦!年明けに王将戦七番勝負を控えた、藤井聡太の11月の対局を振り返る!

竜王戦七番勝負は激戦が続き、藤井は二日制のシリーズで初めて2敗目を喫した。王将戦七番勝負の挑戦者が羽生善治九段に決定し、2023年は藤井─羽生のタイトル戦から始まることとなった。
※対局予定棋士の名前の後の()内は藤井から見た過去の対戦成績。

竜王戦の防衛を目指す藤井聡太
竜王戦の防衛を目指す藤井聡太

11月3日に第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメントで佐藤天彦九段と対戦。佐藤の矢倉に藤井は中住まいから急戦模様。難解な中盤を乗り切ってリードを奪い、そのまま押し切るかと思われたが、佐藤の粘り強い指し回しの前に攻め切れずに逆転を許す。最後は大差で投了となった。珍しい逆転負けで、敗者復活戦に回ることとなった。

11月6日に第43回将棋日本シリーズJTプロ公式戦準決勝で稲葉陽八段と対戦。角換わりから後手の稲葉が右玉に構えて長い中盤戦になる。巧みな打開でリードを奪うと、正確に攻めをつないで稲葉の粘りを許さず押し切り、2年連続の決勝進出を決めた。

11月8、9日に第35期竜王戦七番勝負第4局で広瀬章人八段と対戦。角換わり腰掛け銀から先攻してリードを奪う。以降は安定した指し回しで差を広げ、最後は辛く仕上げて快勝。これで七番勝負を3勝1敗とした。

11月14日に第81期A級順位戦5回戦で広瀬章人八段と対戦。広瀬の雁木に先手の藤井は急戦を仕掛けてリードを奪う。以降も確実に押し切って快勝。折り返し地点を過ぎて4勝1敗と星を伸ばした。なお、同じく首位の4勝1敗で並んでいるのは豊島将之九段。6回戦は佐藤天彦九段(3勝1敗)と対戦する。

11月20日に将棋日本シリーズ決勝で斎藤慎太郎八段と対戦。角換わり腰掛け銀の最新形となるが、先手の斎藤が少し無理な攻めをすると、藤井は的確に対応してリードを奪う。以下も差を広げて快勝。日本シリーズでは初優勝を飾った。

11月25、26日に竜王戦第5局で広瀬八段と対戦。相掛かりから第3局と近い形になり、難解な中盤戦が続く。長考の応酬の結果藤井がリードを奪い、そのまま防衛かと思われたが攻めを誤り逆転を許す。以下は広瀬の的確な指し回しの前に押し切られた。これで七番勝負は3勝2敗。第6局は12月2、3日に行われる。

11月29日に棋王戦敗者復活戦で伊藤匠五段と対戦。角換わり腰掛け銀の研究勝負から、藤井は上部脱出を含みに受けに回る展開。相手の攻めに乗じて入玉に成功すると、すぐさま寄せに転じて最速の勝ちを決めた。次戦では羽生善治九段(6勝1敗)と対戦する。

第72期ALSOK杯王将戦七番勝負の挑戦者はリーグを6戦全勝で駆け抜けた羽生善治九段に決定。待ちに待ったスーパースター同士のタイトル戦だ。

11月29日に第30期銀河戦決勝トーナメント1回戦の中村修九段戦が放映。中村の三間飛車から相穴熊となり、中盤リードを奪った藤井が的確に差を広げて快勝。2回戦では永瀬拓矢王座(10勝4敗)と対戦。放映は12月6日。

第72回NHK杯将棋トーナメントは3回戦で佐藤天彦九段と対戦する。

第1期新銀河戦は準決勝で菅井竜也銀河と対戦。相穴熊の難しい戦いを制し、決勝三番勝負進出を決めた。相手は久保利明九段。

SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2022はファン投票で西側1位となり、12月25日(日)に行われる予定の東西対抗戦へ出場が決まった。

第2回ABEMA師弟トーナメントの開催が決定。藤井は師匠の杉本昌隆八段と組んで出場となる。

文=渡部壮大

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放送情報

第49期 新人王戦 決勝三番勝負 第2局 藤井聡太七段 対 出口若武三段
放送日時:2022年12月17日(土)00:35~
チャンネル:囲碁・将棋チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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