第2部は絶叫上映を実施。タンバリンやクラッカーが鳴り響いた上映終了直後、熱気あふれる会場内に突如、ザ・シネマ新録吹き替え版の主役マックスを担当した声優・宮内敦士が「俺の名前はマックス」という劇中の名セリフとともにサプライズ登場。会場からは「V8!」コールが鳴り響き、大きな歓声に包まれた。この日の衣装は白石が4年ほど前に制作したもので、「白石さんより本格的な衣装をお借りしました。皆さん(のテンション)に追いつけるように頑張ります」とあいさつ。
これまでもトム・ハーディの吹き替えを幾度となく行ってきた宮内は「作品によってコロコロ変わるカメレオン俳優。影もあるし、存在感もある。なりきり方というか、いれこみ方が違う。それでいてすごくナチュラルな、いい役者だなと思うので。そのなりきり感を声だけで表現できるのかなとは思っていました」と語ると、さらに「台本と画面と見比べてみて、なぜこんな芝居をしているのか、という分析から入るんですが、裏に何かあるんじゃないかと思ってしまう。だからひとつだけの芝居でなく、いろんなものを用意していないと彼の芝居の吹き替えは出来ない。だから収録の時は、いろんなものを用意したつもりですけど、もう少しできたんじゃないかなと思う部分もあります。彼はそういう役者ですね」と話す。
その言葉を受けてとりは「吹き替え声優は必ずしも声が似ている必要はないのですが、宮内さんは非常に声が似ている。そしてお芝居もきちんと理解されているんだと思う」と称賛。さらに「下手するとトム・ハーディより宮内さんの声の方が低いんじゃないかと思う時もあった。普通、外国の俳優に日本人が声をあてる時って、なかなかそこまで低くなることはない」と続けると、会場からは大きな拍手が。
それに対して宮内は「若い時は出来なかった役。声がかれてきて。ガラガラいうようになってきて出来るようになった。雰囲気が合ってきたのかもしれない。この年になって出来る役であり、役者さんなのかもしれませんね。とはいえ彼は僕より10歳くらい年下なんですけどね」と笑顔を見せた。
今回の日本語吹き替え版の演出は、数々の洋画の日本語吹き替え版のほか、スタジオジブリ作品などのアニメ作品なども手がける音響監督の木村絵里子が担当しており、宮内は「20年くらい前に吹き替えの仕事を始めた時に『ハリーポッター』で、ちょっとした役をいただいたんです。でもそれが全然出来なくて。『持ち帰ってください』と言われて帰されたんです。それで日をあらためて収録に行ったんですが、それでも悩んで。自分では変わっていないなと思ったんですけど、オッケーをいただきました。僕は半べそをかきながら、もう縁もないかなと思ったんですが、それからもちょこちょこと使っていただいて。僕のいいところを拾っていただけた。そういうご縁があるんです」と語り、「演出力は役者の上をいっていますからね。ひとつのシーンでも、こうじゃないかと言われると、ハッと気付かされることが多くて。そこから何テイクもやって現場で作り直していく。やはり自分を預けることができる演出家さんだなと、今回、改めて感じましたね」と付け加えた。
そんな宮内に『マッドマックス』への思いを尋ねると、「僕は物心ついた時から『マッドマックス』で育ちました。小学生くらいの頃に、ファーストの世界観を見た時に、本当に驚いたんです。だからそんなシリーズに声をあてて、その中に入ることができるなんて夢にも思いませんでしたね」と晴れやかな顔。そして最後に「『マッドマックス』の続きもあるという話もありますが、その時にまたトム・ハーディの声を吹き替えられたらと思います」と決意を語ると、会場からの喝采を集めた。
次ページではイベントを終えた直後の関根勤と宮内敦士のインタビューコメントを紹介。
放送情報
(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版]
放送日時:2019年8月12日(月) 06:30~ほか
チャンネル:ザ・シネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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