国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンが2022年の世界ニュースを語る!

2022年の日本はいろいろなニュースがあった。その一方で、世界情勢はどのようなものだったのか。モーリー・ロバートソンさんに、今年注目したニュースをピックアップしてもらった。

■ロシアと中国の動きに注目ドイツは"未来の日本"かも

2022年の日本は、安倍晋三元首相暗殺という衝撃の事件が起こり、国葬儀も議論に。それを契機に旧・統一教会も社会問題化した。為替相場も32年ぶりに1ドル=150円台になるなど、私たちの今後の生活への不安は膨らむ一方だ。世界でも、ロシアのウクライナ侵攻、エリザベス女王の死去など大きなニュースが続いた。

「今年はロシアと中国の異変が目立った年でした。ロシアは30年ほど前から世界のパートナーとして穏やかな国になると期待されていたんですね。欧米はロシアを掌握できると思っていましたし、日本も北方領土は返還されると悠長に構えていた。しかし、今や制御不能。国内での貧困が深まり、独裁政治も強まり、それにより地下資源への依存も高まっていきました。ロシア国内では被害者意識と怒りが強まっているため、後ろ向きの国家を作っています。しかし僕は、一方でプーチン政権の力が弱まりつつあると見ています。独裁政治に賛同する者も少なければ、声をあげて反対できる者もいない、まさに裸の王様。プーチン亡き後、その負担を強いられた国民はどうするのか、誰が後継者となるのか。行き先は不穏です」
 
また、ロシアに近い独裁政治になりつつある中国にも動きが。

「経済発展を達成した中国は、日本や欧米の下請けをして技術を身に付けました。しかし農村から出稼ぎに来た人が、下請けとして過酷な労働環境を強いられ、稼いだわずかなお金を田舎に送金するという劣悪な環境。中国はそんな下請けから得た技術を利用してAI産業を発展させたかったのですが、米国がAI産業に必要な高度な半導体の輸出規制をしました。人権を無視して下請けを続ける中国の経済を失速させ、最先端技術の輸出能力を削ぐ戦略です。社会不安はますます強まりそうです」
 
そんな中で、注目すべきはドイツだとモーリーさんは語る。

「ロシアへの燃料依存を断ち切る選択を迫られるなど、ドイツ国内は今揺れ動いています。それらの要因は、今後日本に押し寄せてくる問題ではないか、と思うんです。そんな中、若者が政治に興味を持ち投票率はなんと76.6%に。政治に国民の声が届くようになり、首相が押されているのが現状です。日本も国民が当事者意識を持ち、もし全員が投票に行ったなら...と明るい未来を期待してしまいます」

取材・文=横前さやか

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チャンネル:BBCワールドニュース

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