指原莉乃卒業！ さっしーの意志を継いだ新たなHKT48の今後

2019年4月28日、HKT48のメンバーであり、HKT48劇場支配人を兼務していた指原莉乃がグループを卒業。同日開催された横浜スタジアムでの卒業コンサートは、渡辺麻友や北原里英など、AKB48グループの卒業生らも駆けつけたが、HKT48の全メンバー(活動休止中のメンバーを除く)が出演し、グループの仲の良さや一体感が感じられる"HKT48愛"に溢れた感動的なコンサートとなった。

福岡県の博多を拠点とするHKT48が、AKB48、SKE48、NMB48に続くAKB48グループとして誕生したのは2011年のこと。夏にオーディションを行い、10月にAKB48の握手会イベントで宮脇咲良、兒玉遥、松岡菜摘、森保まどからが初披露され、11月に劇場公演もスタート。その4ヶ月後の2012年3月、1期生の中から16人が選ばれ、チームHが結成され、本格始動した。

ダンスのSKE48、トーク力もあるNMB48とグループごとに特徴を持っているが、総合プロデューサーの秋元康氏は「まずはHKT48は一番仲のいいグループになってほしい」とメンバーに伝えており、この様子は2016年1月に公開されたドキュメンタリー映画『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』(監督：指原莉乃)でも見ることができる。

■グループ内で切磋琢磨をしてきたHKT48

2012年6月、2期生オーディションの最終審査が行われたが、同時期にHKT48にとって大きな変化が訪れた。6月に行われた第4回AKB48選抜総選挙で4位にランクインしたAKB48指原莉乃の電撃移籍だ。

ラジオ番組内で秋元氏から直接伝えられている様子もドキュメンタリー映画に収められている。さらに8月には指原と共にグループを引っ張る存在となる多田愛佳もAKB48から移籍することが発表された。9月には田島芽瑠、朝長美桜ら2期生が劇場公演で初披露され、グループとしての形がしっかりと固まった。

HKT48は"仲のいいグループ"を目指していたけれど、メンバー間の競争も激しいグループという印象もある。1期生の中ではキャプテンを狙っていた宮脇咲良と初のオリジナル曲「初恋バタフライ」でセンターを務めた兒玉遥、2期生ではHKT48のデビューシングル「スキ！スキ！スキップ」でセンターに抜擢された田島芽瑠と2ndシングル「メロンジュース」でWセンターを務めた朝長美桜、3期生では"なこみく"の愛称で親しまれている矢吹奈子と田中美久。それぞれの期で良きライバルが存在し、刺激を与え、影響を受けてアイドルとしてそれぞれが成長していった。

デビューシングルで2期生がセンターに選ばれたことで1期生に闘争心を芽生えさせるなど、同期メンバーだけでなく、期ごとの競争もグループ自体を活気づける要因になっている。2016年9月発売の8thシングル「最高かよ」でドラフト2期生の松岡はながセンターに抜擢されたことも、"なこみく"にとって大きな刺激となったはず。

■宮脇咲良と矢吹奈子は新グループ"IZ*ONE"のメンバーに

2013年の選抜総選挙で1位に輝いた指原莉乃は、2015年から2017年まで3連覇し、HKT48のメンバーの多くも大躍進した。

指原が不参加だった2018年の世界選抜総選挙でも宮脇が2位、矢吹奈子が9位、田中美久が10位にランクインしたのも記憶に新しいところ。しかし2018年の後半、HKT48は大きな転機を迎えることとなる。日韓共同のプロジェクト「PRIDUCE48」に参加した宮脇咲良と矢吹奈子が勝ち残り、新グループ"IZ*ONE"のメンバーとして活動するためにおよそ2年半の期間、HKT48の活動を休止することが決まった。

12月15日にTOKYO DOME CITY HALLでHKT48の単独コンサートが行われ、宮脇と矢吹も駆けつけたが、アンコールで指原莉乃が卒業発表を行った。

グループをリードしてきた指原が卒業し、エースの宮脇と次世代エースの矢吹が活動休止、初代センターの兒玉遥も療養のため休止中。大きな変化を迎えたHKT48だが、2019年4月にリリースした指原莉乃センターの12thシングル「意志」でフロントメンバーに選ばれた田中美久と松岡はな、半月板損傷の手術と治療を経て2作ぶりに選抜復帰した朝長美桜が新しいHKT48をリードしていってくれるだろう。昨年11月に5期生が加入したこと、最新シングル「意志」に4期生の松本日向、宮﨑想乃、ドラフト3期生の渡部愛加里、5期生の水上凜巳花が選抜メンバーに選ばれたことも明るい材料だ。指原莉乃の"意志"を受け継いだ新たなHKT48の今後の活動に注目したい。

文＝田中隆信

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