2017年、光GENJIはデビュー30周年を迎えた。実際の活動期間は10年に満たなかったものの、時代に爪痕を残したスーパーアイドル。解散後のメンバーの紆余曲折も含めて、そのストーリーやキャラクターにスポットが当てられがちだが、紛れもなく彼らを輝かせていた源にあるのは"名曲の担い手"という役割である。そこで今回は彼らの曲から3曲をピックアップし、その魅力を解析しながら、功績をたたえたい。
メッセージ性と文学性を併せ持つ温かな卒業ソング『Graduation』
2ndシングル『ガラスの十代』のカップリング。とはいえ、表題曲に負けず劣らず長く愛されている名曲である。1stシングル『STAR LIGHT』から3rdシングル『パラダイス銀河』まで、作詞作曲にはチャゲ&飛鳥の二人が関わっていたことは有名だが、この『Graduation』は作詞が飛鳥涼、作曲がCHAGEという布陣。『STAR LIGHT』や『ガラスの十代』のような切ないメロディではなく温かいメロディで、光GENJIの新たな面を打ち出した。また歌詞も、直接的に学校の卒業や、恋愛のことなどが描かれているわけではないため、様々な人が想いを重ね合わせられるようになっている。特に、"人混みの中を 君は泳ぎつづけるよ 古い大人たち いつかうなずくまで"という一節は、メッセージ性と文学性を併せ持つ。他にも"嬉し淋しさの 真ん中"が示す絶妙な温度感や、"君はいつまでも 君だよ"という締めくくりなど、秀逸な表現が光っている。
太陽のような存在感を象徴する『太陽がいっぱい』
7thシングル。作詞作曲は、『格好悪いふられ方』などのヒット曲があり、現在ではジャズピアニストとして活躍する大江千里。当時の大江の小気味いいポップス路線と、光GENJIの華やかな存在感が掛け合わされることで、眩し過ぎる名曲に仕上がった。全編にわたってアッパーなメロディに、"幾千分もの奇跡をこえて 巡りあった夢""この夏に この時代に 太陽がいっぱい"といった光を放つフレーズが盛り込まれており、まさに太陽そのものといえるような明るさを誇っている。太陽のようなスーパーアイドル=光GENJIだからこそ表現できた楽曲だ。"瞳をさらいにゆくのさ""まぶたのオレンジ 弾ませてごらん"など、想像力をかきたてる独特な比喩もいい。
親世代から子どもまで歌い継がれている『勇気100%』
光GENJIのヒット曲は数あれど、"最もテレビで流れた楽曲""今も親子で歌える楽曲"となると、彼らの後期に位置付けられる21stシングル『勇気100%』ではないだろうか。というのも、1993年からNHK(当時は総合、現在はEテレ)で放送されているアニメ『忍たま乱太郎』のオープニングテーマとして使われ続けているからだ。当初は光GENJIバージョンで、その後は数々のジャニーズの後輩グループにバージョンを変えてカバーされ、現在はジュニアBoysが歌っている。アニメの音楽担当でもある馬飼野康二が作曲、松井五郎が作詞。"がっかりして めそめそして どうしたんだい""やりたいこと やったもん勝ち 青春なら"など、勇気を高める歌詞と勢いあるメロディの親和性が見事で、聴けばすぐに口ずさめる。リアルタイム光GENJI世代として、我が子が歌っている姿が見られるのは感慨深く、特に"ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね"という一節は、今になってみれば光GENJIのことを歌っているみたい......とジーンとしてしまう。
12月25日にはフジテレビTWO ドラマ・アニメで『諸星和己・大沢樹生 ふたりのビッグショー2017 ~光GENJI 30周年を想う~』が放送される。再び二人が集結してパフォーマンスを行うことを喜びながら、改めてかつての名曲たちを振り返ってみてはいかがだろうか?
※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。
放送情報
諸星和己・大沢樹生 ふたりのビッグショー2017 ~光GENJI 30周年を想う~ 光GENJIデビュー30周年イヤーに諸星和己と大沢樹生が共演!光GENJI時代のヒット曲中心のパフォーマンスと今だから話せる裏話的トークショーは必見!
放送日時:2017年12月25日(月)22:00~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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