さだまさしデビュー50周年コンサートツアー!お馴染みのツアーバンド・さだ工務店が登場

撮影:河上良

1973年にグレープとしてデビューし、昨年、デビュー50周年を迎えたさだまさし。6月14日には最新アルバム『なつかしい未来』をリリースし、同日より全国ツアー『さだまさし 50th Anniversary コンサートツアー 2023 ~なつかしい未来~』を、大阪・フェスティバルホールからスタートさせた。

さだまさしは1976年にソロとなって以来、今回が44作目のオリジナル・アルバムと、日本の音楽シーンでも類を見ない多作なアーティストであり、同時にライブ・アーティストとしても2021年には通算4500本の公演回数を達成している。そのメモリアル・イヤーに行われる全国ツアーだが、東京、大阪、名古屋の公演は、4公演ずつまったく趣向を変えて開催するというアグレッシヴな企画。「一夜 グレープナイト」と名付けられた初日は、吉田政美を迎えてグレープ時代の名曲や最新曲を披露、「二夜 工務店ナイト」では、お馴染みのツアーバンド・さだ工務店とともにステージを繰り広げ、「三夜 管もナイト」では、管楽器を加えたステージ、そして「四夜 弦もナイト」はストリングスを加えバラードを聴かせるという構成だ。その東京公演の「二夜 工務店ナイト」が6月30日、東京国際フォーラムホールAで開催された。

デビュー50周年を迎えたさだまさし

オープニングから軽快なリズムでスタートし、1曲目の「長崎小夜曲」で観客はいきなりの総立ち。さだ流シティ・ポップの名曲として知られるこのナンバーに加え、2曲目も激しいギター・ソロを加えたノリノリのポップ・チューンと、意表を突く展開で幕を開けた。この第二夜は、さだが最初のMCで「今夜は、ヒットパレード!」と宣言した通り、次から次へとお馴染みのナンバーが繰り出される。バックを支えるさだ工務店のメンバーも、ピアノの倉田信雄、ドラムの島村英二などベテラン勢に、バイオリン、チェロ、オーボエなどの管弦楽器も加わり、ときに繊細に、時に分厚い音を奏で、幾多のヒット曲をサポートする。

ソロになって最初のナンバー1ソング「雨やどり」に続いては、山口百恵に提供した名曲「秋桜」。歌い終えたさだは、「秋桜」について、山口百恵のプロデューサーから1年半も前に依頼を受けていたのに仕上がったのは締切ギリギリになってしまったという制作秘話を開陳。さだといえば落研出身、トークの面白さでも定評があり、MCだけを集めたCDまで発売されているほど。そしてトークが脱線し長くなるのもお約束だが、「今日は8時までに終わらせないと幕が閉まっちゃうので」と言いつつ、既に押していることを告白し笑いを誘う。満員の観客も、楽曲はもちろんだがトークも楽しみに来ていることがよくわかる。鉄板の大ネタのひとつ、学生時代の「バイト」ネタを身振り手振り、声色まで駆使して披露するMCは、ピン芸人も顔負けの面白さで、ここがコンサート会場であることを一瞬、忘れてしまうほど。

中盤では、現在のウクライナ情勢に触れつつ、アルバム前作『孤悲』に収録されていた印象深いナンバー「キーウから遠く離れて」を披露。深い説得力を持つその歌詞、切々と情感に訴えるメロディーはさだの真骨頂だ。やはり戦争の悲劇を歌った「防人の詩」では、フルバンドによる迫力に満ちた演奏とさだの絶唱が相まって、聴く者の感情を激しく揺さぶる。観客もじっくりとそのメッセージに耳を傾けており、本公演のハイライトとも呼べる感動的なパフォーマンスとなった。

撮影:河上良

アンコールでは、野球のユニフォームに着替えたさだが、最新アルバム『なつかしい未来』にも収録された、話題の新曲「マイアミの歓喜もしくは開運〜侍ジャパンと栗山英樹監督に捧ぐ〜」を披露。軽快なサンバのリズムに乗せて、会場は再び総立ちとなり、最後はバンドメンバーたちと客席へボール投げをし、大盛況のうちに幕を閉じた。

この日の模様は、7月30日(日)の19時よりWOWOWプラスでテレビ初独占放送が決定している。楽しいトークと50年の歴史を振り返るヒット曲満載のステージを、お見逃しなく!

文=馬飼野元宏

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放送配信情報

さだまさし 50th Anniversary コンサートツアー 2023 ~なつかしい未来~ 二夜 工務店ナイト
2023年7月30日(日) 19:00~
チャンネル名:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽

スカパー!番組配信
配信日時:2023年7月30日(日) 19:00~ ※見逃し配信あり
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