さだまさしが音楽への思いを語る「『ショーを止めるな』が僕らの使命」

昨年5月に2年ぶりのオリジナルアルバム『存在理由〜Raison d'être〜』をリリースし、9月から全国ツアーを行なったさだまさしさん。コロナ禍の中、約7ヶ月ぶりに有観客ライブを始めるにあたって、勇気と決断が必要だったようだ。

「『SHOW MUST GO ON』という言葉があります。ショーを止めるな。それが僕らの使命なんです。音楽は平和の象徴ですから、音楽が止まるということは平和が止まるということ。一刻も早く再開したく、感染症研究の権威の方々にも相談し、7ヶ月かかりましたけどツアーを始めることができました。重いペダルでもこげば前に進むんだなと思いましたね。幸い12月までのコンサートで感染者の報告はなかったので、第一次の船出としては成功したのかなと感じますね」

ツアーが始まりお客さんの顔を見て、その決断が間違っていなかったと確信。

「お客さんは歓声を上げることができないし、一緒に歌えないし、粛々と聴いてもらったんですけど、『待ってました!』という気持ちが伝わってきて、感慨深いものがありましたね」

「存在理由~Raison d'être~ さだまさしコンサートツアー2020」より

©YUSUKE TAKAMURA

感染防止のため、コンサートの時間も短縮する必要があった。歌かトークか、どちらを削るか苦渋の選択となったが、トークを削ることに。

「伝えないといけないことは伝えましたけど、無駄話ができなかったから僕の生活が見えなかったと思うんですよね。東京公演にはミュージシャン仲間もたくさん見に来てくれたんだけど、『トークの時間が短いぶん、歌詞が伝わった』って言われてガッカリだよ(笑)」

それでも最新アルバムの楽曲を軸に、ヒット曲を詰め込んだメドレーを聴かせるなど、ファンへのサービス精神が感じられるセットリストで構成されていた。'20年12月2日に行われた東京国際フォーラムホールAでの公演がフジテレビTWOで放送されることが決定。

「『この最中でもやってるヤツがいるぜ』という存在証明だけで僕は十分。でも、いつも来てくれているけど『医療関係の仕事をしているので行けません』という人もいるんです。そういう、『新しいアルバムのあの曲をやったかな?』『古い曲は何を歌ったのかな?』ってドキドキしながら待ってくれている人にも新旧織り交ぜたバランスのいい内容になったと思いますので、放送を見て楽しんでください」

さだ・まさし●'52年生まれ、長崎県出身。'73年にフォークデュオ・グレープとしてデビュー。'76年ソロ・シンガーとして活動を開始。「関白宣言」「北の国から」など数々のヒット曲を生み出す。音楽活動のみならず、小説家としても「解夏」「風に立つライオン」などを発表している。

撮影=中川容邦 取材・文=田中隆信

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放送情報

存在理由~Raison d'être~ さだまさしコンサートツアー2020
放送日時:2021年2月28日(日)22:00~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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