チェッカーズが社会現象とも呼べる人気を誇っていた1986年に公開された、映画「チェッカーズ SONG FOR U.S.A.」
- ミュージシャン
- 2024.11.27
1985年も勢いは増すばかりで、初主演映画「CHECKERS IN TAN TAN たぬき」が4月に公開されて大ヒット。公開前の3月にリリースされて同作の主題歌にもなった「あの娘とスキャンダル」ももちろんオリコン1位を獲得。「俺たちのロカビリーナイト」、「神様ヘルプ!」など、同年リリースしたシングルも誰もが口ずさめるヒットを記録した。
そして1986年、2月にリリースした「OH!! POPSTAR」に次いで6月にリリースされた11枚目のシングルが「Song fot U.S.A.」だった。この曲は7月に公開された映画「チェッカーズ SONG FOR U.S.A.」の主題歌でもある。
映画「チェッカーズ SONG FOR U.S.A.」は、主演映画第2弾の完成披露パーティーでフミヤが冗談のつもりで"解散宣言"をする。それがきっかけで大騒動となり、ファンとマスコミに追われる羽目になる中、彼らは黒人ミュージシャンと出会う。ちょうど自分たちの音楽に疑問を持ち始めた頃だったこともあり、その出会いによって、自分たちの"音楽"を見つけ出していく...という物語が展開する。終盤で見ることが出来るコンサートのシーンは感動的な仕上がりに。
劇中の解散宣言ではないが、この頃に生じたバンドとしての大きな転機というのは、シングルにおける楽曲制作の変化のこと。デビューシングルから「Song for U.S.A.」までの11枚のシングルの表題曲は、作詞を康珍化か売野雅勇、作曲を芹澤廣明が手がけてきた。しかし、1986年10月にリリースした12枚目の「NANA」は、作詞が郁弥、作曲が尚之によるもので、続く「I Love you, SAYONARA」も作詞・郁弥、作曲を大土井が手がけており、以降、ほとんどがメンバーによる楽曲になっていった。それまでも、アルバムの中ではメンバーが作詞、作曲を手がけた楽曲も収録されていたので、1986年のこの時期に、奇しくも映画の内容とリンクした形で、ベテランの作詞家・作曲家から巣立ち、シングルでも自分たちの曲で勝負を仕掛けたということだろう。"チェッカーズ"としてのスタイル、スタンスを大きく変えたというわけではなく、もちろんそれ以前を否定するわけでもなく、ナチュラルにシフトチェンジしていった感がある。
そのような時期に公開された作品として見てみると、映画の中にも新たな発見があるかもしれない。今も輝き続ける楽曲たちもたくさん劇中で聴けるので、ぜひチェックしてみてもらいたい。
文=田中隆信
放送情報【スカパー!】
映画「チェッカーズ SONG FOR U.S.A.」
放送日時:2024年12月1日(日)20:45~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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