『ABRACADABRA』も話題のBUCK-TICK、走り続ける彼らのステージをもう一度

33回目のメジャーデビュー日、2020年9月21日に22枚目のオリジナルアルバム『ABRACADABRA』をリリースしたBUCK-TICK。タイトルになった"アブラカダブラ"は、疫病に対するお守りとして古代ローマから伝わる言葉。収録曲「ユリイカ」の中では、"愛の呪文だよ"と歌われている。今までも"愛と死"をベースに、限りある命への無常観や慈愛などの思いを歌にしてきたBUCK-TICKが、新型コロナウイルスの世界的蔓延をはじめ、世の中の不条理に疲弊してしまった人々の心に愛の呪文を唱えてくれる、そんな作品だ。とはいえ、ただ癒しを与えてくれるというものではなく、聴く人の心が波立つような憂いと温かみ、リアリティを湛えたものであると付記しておこう。

このコロナ禍であらゆるコンサートや舞台が公演中止または延期となったが、BUCK-TICKも例に漏れず5月から予定されていたファンクラブ会員&モバイルサイト会員限定コンサートツアーの公演延期を発表。そんな中でのニューアルバムのリリースは、ファンにとって明るい話題であり、期待を寄せる希望であった。自粛期間中にはネットで過去のライブ映像を無料配信したり、アルバム発売日の9月21日には無観客状態で初の生ライブ配信を行なうなど、この状況の中で出来ることに積極的に取り組んできた。

そんな中、10月にスペースシャワーTVでBUCK-TICKの番組が3本放送される。10月11日(日)は、デビュー30周年を迎えたBUCK-TICKのライブドキュメンタリー映画「CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016」、ミュージックビデオをたっぷりオンエアする「BUCK-TICK スペシャル」。そして10月25日(日)には2017年の年末に東京・日本武道館で開催した「THE DAY IN QUESTION 2017 DAY2」を放送する。

「CLIMAX TOGETHER」とは、1992年9月11日に神奈川・横浜アリーナで開催した、ビデオシューティングライブ。横浜アリーナを横使いにしたダイナミックなステージと、当時の最新技術を駆使した演出、オリジナリティ溢れるカメラワークで、後に発売された映像作品「Climax Together」は、BUCK-TICKのライブのクオリティの高さを世に知らしめ、後続のバンドにも影響を与える作品となった。その後、2004年、2016年と、12年に一度、いずれも9月11日に神奈川・横浜アリーナで開催されている。「THE DAY IN QUESTION 2017 DAY2」は、2017年に劇場版作品として全国公開されたもので、3度の「CLIMAX TOGETHER」のステージの模様と、メンバーのインタビューを交えたドキュメンタリー映画。彼らの30年間の歩みと成長の記録がここにある。

そして、「THE DAY IN QUESTION」は、2001年以降毎年12月29日に日本武道館で開催している年末ライブの中で人気のタイトル。アルバムを携えた全国ツアーのファイナル公演として位置することもあるが、それ以外の年ではこの「THE DAY IN QUESTION」と銘打ち、新旧交えた予測不可能なセットリストでファンを狂喜乱舞させている。「THE DAY IN QUESTION 2017 DAY2」は、デビュー30周年を記念し16カ所18公演を巡った全国ツアーの最終公演。この日も明暗、静と動など新旧の楽曲群が鮮やかなコントラストを描き、観る人の心を惹きつける印象深いステージになっている。

BUCK-TICKは9月26日(土)から新作『ABRACADABRA』を携えたフィルムコンサートツアー「TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN」がスタート。メンバーと観客が集う生ライブという形ではなくなったが、今だからこそできる映像ならではの演出で、『ABRACADABRA』の世界観と最新型のBUCK-TICKを楽しませてくれることだろう。

文=大窪由香

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放送情報

CLIMAX TOGETHER ON SCREEN 1992-2016
放送日時:2020年10月11日(日)21:00~
BUCK-TICK スペシャル
放送日時:2020年10月11日(日)23:00~
THE DAY IN QUESTION 2017 DAY2
放送日時:2020年10月25日(日)23:00~
チャンネル:100%ヒッツ!スペースシャワーTV プラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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