アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」を舞台に、熱き人間ドラマが展開するアクション大作「トップガン マーヴェリック」(2022年)。1986年公開の人気作「トップガン」のその後を描いた本作は、2022年洋画興行収入No.1の大ヒットを記録し、本国でも圧倒的な強さで興収トップの座を獲得した。初公開から36年の時を経て、いまだ観る者を熱狂させる「トップガン」の魅力を振り返ってみたい。
■「トップガン」をベースに組み立てられた「トップガン マーヴェリック」の人物相関図
タイトルの「トップガン」とは、優れたパイロットを養成するため1969年に設立された海軍戦闘機兵器学校の通称。カリフォルニア州サンディエゴ近郊のミラマー海兵隊基地内に置かれ、各地の海軍飛行隊から集まったトップクラスのエリートたちが厳しい訓練を受けている。「トップガン」ではミラマー海兵隊基地でロケ撮影が行われ、「トップガン マーヴェリック」の撮影にも使われた(実際のトップガンは1996年にネバダ州の基地に移転)。
「トップガン」は、無謀で協調性のない天才肌のパイロット、マーヴェリック(トム・クルーズ)が訓練中に親友グース(アンソニー・エドワーズ)を亡くした悲しみから立ち直り、一流のパイロットに成長していく物語。その30数年後を舞台にした「トップガン マーヴェリック」では、某国の核施設を破壊する選抜メンバー育成のため、マーヴェリックが教官としてトップガンに舞い戻る。その中にはグースの息子ブラッドリー(マイルズ・テラー)の姿もあり、彼を危険な目に遭わせたくないマーヴェリックと、それに反発するブラッドリーの確執を軸に物語は展開する。
グースへの友情や、海軍大将になったトップガン時代の同期生アイスマン(ヴァル・キルマー)がマーヴェリックを後押しするなど、今作の人物相関は「トップガン」がベースになっている。面白いのはヒロインのシングルマザー、ペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー)の存在。彼女は今作が初登場のキャラクターだが、「トップガン」の序盤でマーヴェリックが手を出した提督の娘として、グースがその名を口にしていた。流れ的には別人にも思えるが、「もしかして?」と思わせるネーミングの妙味に作り手の愛が感じられる。
ほかにも画作りから音楽の使い方まで引用したオープニング(やっぱり燃える!)や、マーヴェリックがカワサキのバイクを愛用していたり、訓練で接触すれすれまで機体を寄せて背面飛行をするなど、「トップガン」を彷彿とさせるビジュアルのオンパレード。前作を知らなくても楽しめる作りになってはいるが、観ておけば楽しみが何倍にも増すのは間違いない。
イースターエッグ的なお楽しみもあるが、ストーリー面にも注目したい。「トップガン」は仲間と競い合い成長する青年の物語だが、父と子の絆というサイドストーリーも持っていた。任務で飛行中に消息を絶った父を追うように、ハンデを承知で海軍に入ったマーヴェリック。かつて父親の同僚だったメットカーフ中佐(トム・スケリット)が、彼を叱咤しながら導いていく父と子の物語も見どころだった。そんな2人の関係を、今作ではマーヴェリックとブラッドリーがそのまま踏襲。父子のように振る舞う彼らの姿を見ていると、かつてマーヴェリックがグースに言った「俺の家族はお前なんだ」というセリフが頭をよぎり思わず胸が熱くなる。
■「本物」を使用することにこだわった戦闘機の飛行シーン
放送情報【スカパー!】
トップガン[4Kリマスター版]
放送日時:2023年3月11日(土)19:00~、26日(日)16:30~
トップガン マーヴェリック
放送日時:2023年3月9日(木)20:30~、11日(土)21:00~
チャンネル:スターチャンネル1
トップガン[4Kリマスター版][吹][木曜洋画劇場 追録ノーカット版]
放送日時:2023年3月12日(日)19:00~、18日(土)10:00~
トップガン マーヴェリック[吹]
放送日時:2023年3月12日(日)21:00~、16日(木)13:00~
チャンネル:スターチャンネル3
トップガン
放送日時:2023年3月11日(土)18:00~、25日(土)7:45~
トップガン マーヴェリック
放送日時:2023年3月11日(土)20:00~、19日(日)17:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
トップガン
放送日時:2023年3月12日(日)17:00~
トップガン マーヴェリック
放送日時:2023年3月12日(日)19:00~
チャンネル:WOWOWプライム
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