そんな李蓮花が、ひょんなことから新米侠士・方多病(ほうたへい)と出会い、物語が動き出す。

方多病は幼い頃に一度だけ会った李相夷を師匠と崇めているのだが、目の前にいる李蓮花が当の本人だとは気づかず、優れた観察眼を持つ李蓮花に初対面であれこれ言い当てられて面白くない。それでも李蓮花の頭脳明晰さを目の当たりにし、共に江湖で起こる事件を解決する旅に出ないかと誘う。アイドルユニット"fresh極客少年団"出身としても知られるツォン・シュンシーが、初めこそ対立するものの次第に李蓮花に懐いていく弟キャラを愛嬌たっぷりに演じている。

そして2人の前に、李相夷との対決により自らも深手を負った笛飛声(シャオ・シュンヤオ)が、鉄仮面をつけ"阿飛"を名乗って現れる。

李蓮花が李相夷だと見抜いている笛飛声は、「私が認める敵は生涯ただ1人、李相夷のみ」と熱く迫るのだが、李蓮花は「今、天下一はお前だ」と受け流す。それでも笛飛声は「いつか必ず決着を」と食い下がり、かつての宿敵同士の因縁も浮き彫りに。こうして事情も目的も異なる3人が時にぶつかり、時に助け合いながらも事件を解決し、絆を育てていく。

ダイナミックな剣術アクションシーンはもちろん、本作ならではの見どころが、このメインキャラクター三者三様の個性が存分に生かされたブロマンスだ。

李相夷との決着をひたすら願う武闘派・笛飛声に、それを淡々とかわす李蓮花。そこに李蓮花に一目置く方多病が「先生に何をする！」と割って入る。李蓮花が「笛飛声とは旧知の仲だ」と言えば、方多病は「私だけ部外者のようで面白くない」と寂しそうな表情まで見せてくる。