
2008年9月に2PMのメンバーとしてデビューして今年で17周年を迎えたジュノ。JYPエンターテインメントから独立を果たし、新たなスタートを切った。
"演技ドル"の第一人者に挙げられるなど、俳優としても存在感を放つジュノは、共にK-POP第2世代を代表する少女時代のセンターとして活躍したユナとの熱いラブシーンも話題となった「キング・ザ・ランド」(2023年)をはじめ、イ・セヨンと共演を果たした時代劇「赤い袖先」(2021年)、ウォン・ジナと純愛を体現した「ただ愛する仲」(2017年)など、ロマンス作品を中心に順調なキャリアを重ねてきた。

事務所独立後も主演作が相次ぐ好調ぶりで、待機作の「CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~」では手持ちの現金額に応じた特殊能力を使える公務員というユニークな役柄を演じるなど、これまでの路線とは一味異なる作品にもチャレンジ。10月11日からNetflixで配信が開始となった「テプン商事」でも、揺れ動く若者の感情を表現した演技力に注目が集まっている。
1997年に起こったアジア通貨危機を題材とした「テプン商事」は、中小企業の経営者を父に持つ自由気ままな息子が、突然訪れた父の死によって経営難の貿易会社"テプン商事"を引き継ぐことになり、不器用ながらも会社を守ろうとする奮闘記だ。
ジュノが演じる主人公のテプンは、親のすねをかじりながら悠々自適の生活を送る放蕩息子で、仲間と夜な夜なクラブに繰り出してはブイブイ言わせるカリスマ的存在。ハイブランドをスラッと着こなすイケメンを、ジュノは整ったルックスやスターならではのオーラで違和感なく演じ、クラブシーンではキレッキレのダンスまで披露する大サービス。
何かと絡んでくる同じくドラ息子のヒョンジュン(ム・ジンソン)と警察沙汰の喧嘩をするなど、"テプン(台風)"という名前の通り破天荒だが、父の靴を磨いたり、電車で老婆に席を譲ったりと性根は優しく、等身大な青年。派手に見えるが誠実な人物像を、ジュノは穏やかな声色と表情で表現し、好感度の高い主人公を作り上げている。
世間知らずな遊び人をコミカルに表現する一方で、ふとした瞬間に宙を見つめるうつろなまなざしやふと流す涙まで、人生が一夜で急変してしまった青年の戸惑いや悲しみといった感情を繊細に表現。華やかな姿から内省的な演技まで、多彩な芝居を操るジュノの役者としての実力が存分に堪能できる。
遺品を通して厳しかった父の知られざる思いに触れ、身を入れ直して働き出す中、テプンは若いが頼りがいのある経理のミソン(キム・ミンハ)と少しずつ信頼を築いていく。ジュノお得意のロマンスへの予感もどこか漂わせており、「パチンコ Pachinko」(2022年)など話題作が相次ぐ実力派のミンハとのケミストリーにも期待が持てそうだ。
さらに主題歌「Did you see the rainbow?」では美しい歌声で視聴者のノスタルジーを誘うなど、ジュノは演技、歌、ダンスと自分の持てるスキルをフル活用して、主演としてドラマを牽引している。

90年代を再現した空気感や音楽演出など好評が寄せられ、好スタートを切った「テプン商事」。「CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~」も今年の配信を予定するなど独立後さらなる躍進を遂げているジュノの役者人生にとって、一つのターニングポイントになる作品かもしれない。
文=HOMINIS編集部
配信情報【Netflix】
Netflixシリーズ「テプン商事」
独占配信中
Netflixシリーズ「CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~」
2025年独占配信予定
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こちら