俳優デビューから30周年...名優ソ・ジソブの"出発点"を担った監督との再タッグが叶った2022年のドラマ「ドクター弁護士」
韓流・海外スター
(C) 2026 Disney and its related entities
手術シーンで見せる器用な"手"の演技には、彼の繊細な表現力が細部まで宿る。不当な権力によって地獄を見た男が巨悪に立ち向かう姿は、眉間のしわや背中の角度一つとってもその胸に積もる悔恨や"失われた時間"を思わせ、観る者の感情を揺さぶるのではないだろうか。一瞬の視線の動きや"間"で、役のためらいと複雑な想いを伝える芝居も、30年のキャリアで磨かれた技術だろう。
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物語の大きな要となるのは、イハンの元婚約者であり、医療犯罪担当の検事となったソギョン(イム・スヒャン)との関係だ。
イハンが嵌められた不正手術により亡くなった患者というのが、ソギョンにとってたった一人の肉親だった弟のソクチュである。弟の命が奪われたと思い込み、イハンへの憎しみを募らせた彼女もまた検事となり、互いに法廷で再会を果たすことに...。かつては愛し合った2人だけに、戸惑いを隠しきれず、互いの葛藤が手に取るように伝わってくる。複雑に感情を交錯させる彼らの様子は観る者の胸を締め付けるだろう。
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さらに強烈なインパクトを残すのが、謎めいた企業家ジェイデン・リー(シン・ソンロク)の存在だ。成功のためなら手段を選ばない冷徹さと、どことなく危ういカリスマ性を漂わせるジェイデン・リーは、物語に不穏な影を落とす。内側に感情をため込むハン・イハンとの対比によって物語にスリリングな緊張感が生まれ、2人が対峙するシーンでは手に汗握る心理戦が繰り広げられる。
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医療現場の緊迫感と法廷での頭脳戦を行き来しながら、ドラマはイハンが失った名誉と自分自身を取り戻すまでを描く。ソ・ジソブの魅力は、弱さを抱えた人間のリアルに寄り添う作品とも相性がいいとも言えそうだ。30年の歳月で培われた静かな熱と説得力が、ハン・イハンという役に血を通わせているように思え、"もう一度立ち上がること"の意味を考えさせられた。
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文=川倉由起子









