代表作を1本に絞ることができないほど、出演する作品で軒並み高い評価を得て高視聴率も記録している演技派俳優のチソン。「ラストダンスは私と一緒に」(2004年)で共演した女優イ・ボヨンと2013年に結婚すると、以降はすっかり"愛妻家"のイメージも定着。「2017 SBS演技大賞」では、チソンが「被告人」で大賞を、「耳打ち」でボヨンが最優秀演技賞を受賞し、夫婦が抱擁とキスで喜びを分かち合う姿は大きな話題となった。
そんな彼の主演最新作「医師ヨハン」が2月28日(金)よりKNTVにて日本初放映される。作家にして現役医師の久坂部羊による医療サスペンス小説「神の手」を原作に、ペインクリニック科で働く医師たちの奮闘を描く本作。かつて末期がん患者を尊厳死させ、服役した過去をもつヨハン役のチソンは、10秒以内に患者の症状を把握することから"ドクター10秒"と一目置かれ、出所後に最年少教授に抜擢された天才医師を存在感たっぷりに演じている。
チソンが医師を演じると聞いて、あるドラマを思い出すファンも少なくないはず。その作品こそ、彼が兵役後の復帰作として主演を務め、最高視聴率34.33%を叩き出したメディカルドラマ「ニューハート」(2007年)だ。
端正なルックスとスマートな佇まいから、それまでエリート役を演じることの多かったチソンが、本作では3流医科大学出身で落ちこぼれの研修医を熱演。配属先の胸部外科を舞台に、シビアな医療現場や院内の人間関係に翻弄されながらも、ひたむきに医療に専念する姿や、同僚に恋心を抱く姿はチソンの新境地となり、演技派俳優として大きな成長を遂げることになった。
「医師ヨハン(原題)」は、そんなチソンにとって実に12年ぶりとなるメディカルドラマ。結婚して2児の父親となり、俳優としても円熟期へ差しかかろうとしている彼は、本作の放送に先立って制作発表会に出席。12年ぶりに医師を演じることについて「責任を感じる。いつか研修医ではなく教授役を演じたいと思っていたが、夢が叶った」とコメント。さらに「セリフに責任を持てるようにたくさん勉強した」と役作りについて言及すると、「先天性の脊椎分離症を患う僕にとって麻酔科学は特別な意味を持つ」と持病を告白。続けて「共感できたし、集中力も高まる。視聴者にとっても大事な作品になってほしい」と意気込みを言葉にした。
キャリアを積み、これまで以上に充実した俳優生活を送るチソンが、持病を告白して真摯に向き合った"医師・ヨハン"というキャラクター。説得力に満ちあふれた天才医師役が、彼の新たな代表作となることは間違いなさそうだ。
文=スズキヒロシ
放送情報
医師ヨハン(原題)
放送日時:2020年2月28日(金)20:50~(2話連続放送)
チャンネル:KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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