第1次韓流ブームから20年近くにわたり、ドラマ、映画を中心に息の長い活躍を続けてきた俳優クォン・サンウ。8月で44歳を迎えたサンウだが、2020年は『鬼手』『ヒットマン エージェント:ジュン』と、立て続けに主演映画が日本公開されるなど、ここにきて再びその存在感を発揮している。
■モムチャン、涙の貴公子...韓流ファンに支持されてきたクォン・サンウの"20年"
韓流ブームのきっかけとなった"韓流四天王"と同時期に、元祖"モムチャン"(鍛え上げられた体という意味)俳優として登場したサンウ。学校内での覇権争いをケレン味のあるアクション満載で描いた2001年の映画『火山高』では、その肉体を活かし、校内イチの実力者という役どころを説得力抜群に演じた。
サンウがその存在を日本で広く認知させたのが、本国で最高視聴率45.3%を叩き出し、日本でも2004年に放送された「天国の階段」だ。「冬のソナタ」(2002年)のチェ・ジウと共演を果たしたこのドラマは、"複雑な家庭環境""記憶喪失""病魔"...といった韓流ドラマの"お約束"を盛り込み、幼なじみの男女が純愛を貫こうと幾多の困難に立ち向かっていくラブロマンス。サンウは若き御曹司でジウ演じる幼なじみと離れ離れになったことから、彼女を一度は失ってしまうという悲劇の青年を演じ、劇中の涙を流す美しい表情から"涙の貴公子"として人気を博した。
このほかにも軍事政権下のソウルの高校に通う学生たちの青春模様を描いた2004年の『マルチュク青春通り』や、悲しい過去を背負った影のある刑事を演じた2006年の『美しき野獣』、近年ではシリーズ化もされた2017年のラブコメドラマ「推理の女王」など、作品ごとに見せる異なる魅力でヒットを生み出してきた。
■クォン・サンウの新境地!『探偵なふたり』シリーズで見せた新たな魅力
役者としての活躍の一方で、近年では実業家としても注目を集めるサンウ。多方面にわたり才能を発揮している彼が、「撮る時はすべての荷が下りる」と語り、リラックスした姿を見せているのが『探偵なふたり』シリーズだ。
推理好きの漫画喫茶主人と破天荒な刑事の凸凹コンビがぶつかり合いながら、事件を解決して様子をユーモアたっぷりに描くこのシリーズ。9月21日(月)にKNTVにて放送される2018年の『探偵なふたり:リターンズ』は、その第2弾作品で、韓国では動員300万人突破の大ヒット作だ。
サンウ扮するデマンは推理好きが高じ、相棒の刑事のテスと共に探偵事務所をオープンすると、婚約者を列車事故で亡くした女性からの依頼が舞い込んでくる。警察は自殺と断定したこの事件だが、調査を続けるうちに被害者と同じ施設の出身者が次々と不審な死を遂げていることが判明。元サイバー捜査隊のヨチを巻き込み、容疑者を追い詰めていく。
このデマンだが、推理以外は冴えない男。育児に関して妻に頭が上がらず、捜査に赤ん坊を連れては赤ちゃん言葉で泣く子どもをあやしたり、事件を追う中で血を見れば、声を荒げてパニクったり...。さらにはテスとの歯切れの悪い掛け合いを繰り広げるなど、何をやってもキマらない。
そんなパッとしないキャラクター像を、サンウは覇気のない表情や絶妙な台詞の間の取り方でナチュラルに表現しており、これまでのイメージとはかけ離れたコミカルな姿に思わずクスリとさせられてしまう。だが、事件のこととなると顔つきがグッとソリッドに。その瞬間的な切り替えが実に見事で、次第に快感すら覚えてくる。
8月7日から公開された映画『鬼手』では、バッキバキの肉体美に華麗なアクションを見せ、若かりし頃と変わらない迫力さを纏っているサンウ。そんな彼が一風変わった魅力を発揮している『探偵なふたり』シリーズでの演技は、役者として力量が十二分に感じられ、20年に渡りトップを走り続けてきた理由もよく分かるはずだ。
文=HOMINIS編集部
放送情報
探偵なふたり:リターンズ
放送日時:2020年9月21日(月)20:00~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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