トップ俳優、ソン・スンホンの新定番！？イケメンすぎて笑えるコミカルな魅力

ある時は、お金に目がない天才詐欺師(「プレイヤー～華麗なる天才詐欺師～」)。またある時は、なりふり構わず選挙活動に奔走する元国会議員(「偉大なショー」)...。誰が見ても「ハンサム！」と思わせる完璧な容姿を備えるソン・スンホンは、昨今、ひと癖あるキャラクターに挑み、演技の幅をどんどん広げている。

9月28日(月)にKNTVで第1話が先行放送される最新ドラマ「夕食、一緒に食べませんか？(原題)」でも、そんなスンホンの新たなギャップに出合えそうな予感だ。

ここ最近、"おひとり様"傾向が加速していると言われる韓国の世相を反映した同名WEB漫画が原作となる本作。過去の恋愛に傷つき、気楽なおひとり様ライフを送っていた男女が、夕食を共にする"ディナーメート"の関係を経て、互いの魅力に気づいていくというロマンティックラブコメディだ。

ディナーメートと聞くとやや唐突に聞こえるが、スンホンが扮するキム・ヘギョンは、一緒に食事をすることで、患者の心と向き合うフードセラピストとして名を馳せている精神科医。高額報酬なのはもちろん、食事場所やメニューも自分が決める上、食事代も患者負担という条件ながら、患者からの評判は上々。スンホン扮するセラピストとあれば、人気は当然かもしれないが、そのジェントルな物腰は見ているだけでも惚れ惚れしてしまう...。

ところが、治療以外で見せるヘギョンは毒舌家で、料理に対して口うるさく、そのために廃業に追い込まれたお店もあるほど。以前は自分の全てを捧げた初恋相手がいたが、その時の別れが傷になり、恋に関心を持てないでいる状態が長く続いている...という側面も。

そんなヘギョンが出会ったのが、恋人に「一緒に食事するのが嫌になった」とこっ酷くフラれてしまった女性、ドヒ。偶然そのケンカ別れした場に居合わせたヘギョンは、傷心真っただ中のドヒに、まるで普通の患者と話すように「夕食、一緒に食べませんか？」と声を掛けるのだ。

ちなみにこのドヒに扮しているのが、「愛の不時着」でヒョンビン扮する北朝鮮将校ジョンヒョクの気位の高い婚約者ダンを演じたソ・ジヘだ。同作の中で次第に強く惹かれ合うようになる相手、スンジュンを演じたキム・ジョンヒョンが、この「夕食、一緒に食べませんか？(原題)」の第1話にカメオ出演しており、韓国初放送時には大いに話題を呼んだ。

ヘギョンとドヒはただ一緒に食事をするだけの関係に過ぎないのだが、だからこそ、取り繕わずに普段の自分でいられる。おしゃれなレストランでワイングラスを傾け、他愛のない話をすることもあれば、お互いの過去の恋愛を慰め合うことも...。元カレが忘れられずに泥酔したドヒは水のないプールで泳ぐし、ヘギョンも頬が真っ赤になるほど飲んで、両手を叩いて大笑い。飾らない自分をさらけ出し、それをお互いが徐々に受け入れ合っていく。ある意味、恋愛感情よりも大切で尊いこの関係性が、見ているこちらも徐々に羨ましくなってくるから不思議だ。

演出には、「プレーヤー～華麗なる天才詐欺師～」や「ブラック～恋する死神～」でもタッグを組んできたコ・ジェヒョンが加わり、スンホンの魅力を知り尽くした絶妙な仕掛けが生きている。スマートで大人の魅力を醸し出す一方、ややオーバーアクションのコミカルなシーンが途中途中で挟み込まれ、緩急のあるテンポの良い展開にぐいぐいと引き込まれていくのだ。

初回の台本読み合わせから、演出家のジェヒョンとスンホンは信頼し合っている様子が伺え、リラックスした現場の雰囲気作りを主導していたという。ドヒとのシーンでは、あわや白目を剥きそうになったり、乱暴な運転に顔をしかめたりと、振り切った演技を見せているスンホンだが、それらは信頼するスタッフや風通しのいい現場がもたらした効果の一つなのだろう。そうした多彩な表情が見え隠れする今作でも、完璧なハンサムからのギャップを存分に楽しめそうだ。

文＝津金美雪

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