Vらが涙した過酷な練習生時代...BTSメンバーの「血、汗、涙」の結晶ともいえる現在地

「Dynamite」に続く全編英語歌詞のデジタルシングル「Butter」が大反響を呼んでいるBTS。5月21日にリリースされるやいなや世界101ヶ国・地域のiTunesトップソングチャートで1位に輝いた同曲は、YouTubeにアップされたMVは公開24時間で1億820万再生数を記録し、「Dynamite」のMVが保持していた記録もわずか9ヶ月で更新したことも話題になった。

今やカムバックの度に世界中の注目を集めている彼らだが、その背景には辛い練習生時代を経た2013年のデビュー、そしてこれまでの8年といった長い歴史がある。

Mnetで6月13日(日)に日本初放送される「ユ・クイズ ON THE BLOCK」では、それぞれの練習生時代のエピソードが飛び出し、BTSメンバーたちのこれまでの努力や苦労が存分に語られている。韓国の国民的MC、ユ・ジェソクのクイズ番組として人気の高い同番組だが、今回の出演は、番組の大ファンだというジミンを筆頭に、全員一致で「出演したい！」という希望を事務所に出したことで実現に至ったという。

BTSのために特集が組まれたこの日は、楽曲にまつわるクイズに挑戦する前半パートと、3組に分かれてインタビューを受ける後半パートで構成。今回はインタビューパートで、メンバーたちが赤裸々に語った練習時代の逸話をピックアップして紹介したい。

まず初めに登場したのはRMとVだ。練習生時代は食事制限があり、大好きなジャージャー麺もなかなか食べられなかったと語ったRM。ある日どうしても食べたくなったRMは、振り付けの時間に「お腹が痛い」と嘘を付いて近くの中華料理店へ走ってジャージャー麺を食べに行ったこともあったと告白。さらにデビューが決まり、宿舎が移動になった時には、旧宿舎へ出前を届けてもらえば、バレないのでは...と頭を使ってなんとかジャージャー麺にありつこうとしていたのだとか。

結成のきっかけとなった最初のメンバーであり、常日頃からリーダーとしてカリスマ的な存在感を見せるRMだが、そうした姿からはギャップのある、何とも親近感にあふれたエピソードが飛び出した。

「家族とあまり会えなかったことが辛かった」と話し始めたVは、巨済島にいた両親が往復12時間をかけ、たった30分間会うためだけにソウルに来てくれた当時を思い出すように語った。両親はバナナ牛乳やパンなどを「メンバーたちと一緒に食べなさい」と持たせてくれ、お父さんが帰る時には悲しくなり、時には涙していたことも明かしていた。

続いて登場したのはJ-HOPE、ジミン、ジョングクの3人。メンバー内で最年少のジョングクは、先輩である"兄さん"メンバーたちに気を遣って、みんなが寝た後にシャワーを浴びて、2段ベッドをきしませないようにそっと移動していたという。また、J-HOPEが練習生生活に耐えられなくなり、光州の実家に帰ろうとした時にも、ジョングクが高速バスターミナルまで追って行き、泣きながら引き留めたというエピソードを明かした。

グループ内で一難最後に合流し、練習生期間が最も短かったのはジミン。当時はVとジョングクが受けているボーカルレッスンを見学しに行き、その日の夜に聞いた内容を一人で練習するということを繰り返していたという。朝4時まで練習し、6時半には起床して学校へ行くというハードな生活――しかし自身を突き動かすように練習に励み、このチームに入りたいと強く思わせたのはメンバーたちの存在だったと語っている。

そして最後はジンとSUGA。もともと俳優志望だったというジンは、登校中に「あなたのようなハンサムな人を初めて見た。ぜひうちのオーディションを受けてください」と言われ、スカウトされた経緯を告白。ジンと言えば、普段からバラエティや音楽番組などでも"ワールドワイドハンサム"を自称するなど、茶目っ気たっぷりな人柄が人気を集めているが、ここでもユーモラスな一面を覗かせていた。

SUGAはメンバーの個性が強くて、デビュー当時にはなかなか噛み合わなかったと明かす。男7人が集まるとケンカしない訳がなく、些細なことからすぐに争いになっていた...という事実を告白。今では家族のように思えるメンバーたちだが、そうした関係になれた秘訣はたくさんケンカしてもその日のうちに仲直りすることだと語った。

それぞれが語った練習生時代には、家族と会えない辛さや自分の好きなものを我慢する辛さ、無事にデビューできるのかという不安――そうした10代の少年が抱えるには大きすぎる苦労が垣間見られた。

しかしメンバー同士で支え合い、同じ目標に向かって高みを目指したからこそ、"ワールドアーティスト"という今があるに違いない。圧倒的なパフォーマンスや素晴らしい楽曲だけでは語れない、彼らの"血、汗、涙"の結晶ともいえる輝かしい「現在地」なのだろう。

文＝津金美雪

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