韓国を代表する名優チャン・ヒョク。どんな特異なキャラクターもリアルに体現する演技力、武道の経験や鍛え上げられた肉体を活かしたハイレベルなアクション...。その実績から"時代劇のカリスマ"とも称されるヒョクだが、現代劇でもカリスマ性を遺憾なく発揮している。
その代表例と言えるのが、初の刑事役に挑んだ主演ドラマ「ボイス~112の奇跡~」(2017年)。唐沢寿明、真木よう子主演でリメイクされた同シリーズの第2弾が現在放送されているが、オリジナル版も手に汗握る展開が見どころの一つ。ヒョク主演の第1弾が評判を呼んだことでその後もシリーズ化され、ソン・スンホン主演となる第4弾「ボイス4(原題)」も日本での放送を10月に控えている。
好評を博した「ボイス~112の奇跡~」に続き、主演チャン・ヒョクと監督キム・ホンソンが再びタッグを組んだことで注目を集めたドラマ「ザ・プロファイラー~見た通りに話せ~」が、ホームドラマチャンネルで9月5日(火)に第1話先行放送される。
連続殺人犯により婚約者を殺害された過去を持つ天才プロファイラーのオ・ヒョンジェが、特殊記憶能力のある新米刑事・スヨン(チェ・スヨン/少女時代)と共に、因縁の殺人犯を追跡していくというサスペンススリラーだ。
ヒョクが挑むのは、ミステリアスな雰囲気をまとった天才プロファイラーのヒョンジェ。リミットが迫る中で事件解決に奔走する姿が特徴的だった「ボイス」の刑事役に対して、"辛い過去を抱える犯罪捜査のプロフェッショナル"という共通点はあるものの、受ける印象は全く異なる点が面白い。誰より殺人犯を憎みながら、感情を押し殺した低いトーンでプロファイリングしていく様は、異様な緊迫感を漂わせている。
「捜査から一、二歩下がって観察しないといけない立場だったので、そういった距離感を考えながら演技をしました」とインタビューでも明かしているように、繊細な役づくりでプロファイラーという特殊な役柄にアプローチしたヒョク。最愛の婚約者の死をきっかけに姿を消すも、再び現れた連続殺人犯の追跡に執念を燃やすヒョンジェの"心の闇"を、陰影のある表情や声によって繊細に表現している。
前作での男らしく精悍なイメージを一新する長髪にクールな出で立ち、ミステリアスな雰囲気もまた新たな魅力を感じさせる。人生経験を積んだ大人ならではの色気も醸し出され、そのカリスマ性は健在だ。徹底した役作りに定評のあるヒョクだけに、どこか狂気をはらんだ視線一つに着目しながら、新たなドラマの世界観に入り込んでほしい。
文=中川菜都美
放送情報
ザ・プロファイラー~見た通りに話せ~
放送日時:2021年9月5日(日)19:00~
※レギュラー放送は10月25日(月)より毎週(月)14:00~2話連続放送
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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