11月15日、無事に除隊の日を迎えたヤン・セジョン。この12月に満29歳となる彼は、自身のドラマデビュー作にして2016年を代表するヒット作「浪漫ドクター キム・サブ」の続編「~キム・サブ2」(2020年)への特別出演をもって昨年5月に入隊していた。それから約1年半、大きく成長を遂げた姿で除隊した今、カムバックへの期待が日増しに高まっている。
入隊前最後の主演作「私の国」(2019年)では、本格的なデビューからわずか4年ほどにも関わらず、"時代劇のカリスマ"チャン・ヒョクと肩を並べるまでの成長を見せたセジョン。高麗末期を舞台にした物語で、スタントなしで激しいアクションにも挑戦。戦乱の世を生き抜く若者像で新たな一面を見せ、"次世代ライジングスター"の名を欲しいままにした。
そんなセジョンの魅力を一気に開花させた作品といえばやはり、地上波ドラマ初主演となったドラマ「愛の温度」(2017年)だろう。6歳年上のヒロインに対し、手先の駆け引きをすることなく、ストレートに恋心をぶつける様子は、抜群の好感度を生み、韓国では"国民の年下男"とまで呼ばれるに至った。
「愛の温度」は、脚本家の夢を追う29歳のヒロイン・ヒョンス(ソ・ヒョンジン)と、23歳のフレンチシェフ志望の青年ジョンソン(ヤン・セジョン)が織りなす恋物語だ。
運命の出会いは、ヒョンスが後輩に誘われて参加したとあるマラソンイベント。日頃から脚本のアイデアを探している彼女は、手に包帯を巻き、腕に傷のあるジョンソンを"観察"したことから、言葉を交わし合った2人。そんな偶然の出会いからわずか数時間後、ジョンソンはまだ名前すら知らない状態だったヒョンスに対し、不躾に「付き合おう」と直球で告白する。
最初は、6歳も年下の男にからかわれたと不快感を示す彼女だったが、次第に彼との距離が縮まっていく。しかし、ジョンソンが料理修行のためフランス留学を決めたことから、その距離は再び離れ離れに...。本作では、そうした恋愛のタイミングや価値観が絶妙にすれ違う2人が、5年後に訪れた再会を経て、自分たちにとって最適な"愛の温度"を見出していく過程を丁寧に紡ぎあげている。
セジョン演じるジョンソンの魅力は、その一途さ。素性の分からないヒョンスにひと目惚れすると、一切迷うことなくアプローチ。どんなにすれ違っても、5年もの間会えずにいても、ヒョンスを想う気持ちは変わらない。
厳しい現実に揉まれ続け、様々なことに慎重になり過ぎているヒョンスの固い"ガード"にも怯まず、時には強引に迫ることも。例えば、電車内のデッキで車両が揺れたのにかこつけて壁ドン!ヒョンスに逃げる隙を与えず、顔を近づけ「キスしたい」と少年のような純粋さで真っすぐに思いを伝えてくる。
そうかと思えば、落ち込むヒョンスのためにおいしい料理を作ってあげたり、ヒョンスの頭をなで、広い両腕で優しく抱きしめてキスしたりと、大人の男性らしい包容力も覗かせる。ヒョンスを愛おしそうに見つめる熱っぽい瞳も、視聴者をグイグイ引き込む甘さに満ちている。
ジョンソンの恋の魔法によって少しずつ心を開いていくヒョンスとの甘いスキンシップも、「愛の温度」で感じ取れる心地よさの要因だ。ヒョンス役のソ・ヒョンジンとは、「浪漫ドクター キム・サブ」でも共演し、互いに医師としての葛藤を表現し合った間柄。今回は恋のお相手として、2人の相性の良さを改めて証明してみせた。
セジョンは、「愛の温度」に続いて主演したドラマ「30だけど17です」(2018年)では、変わり者のウジン役でまた新たな魅力を見せた。伸び放題の長髪とヒゲで登場し、爽やかなジョンソン役で構築したピュアなイメージを一撃打破してみせたのも記憶に新しい。
「30だけど17です」で共演したアン・ヒョソプとも、入隊前最後の出演作「浪漫ドクター キム・サブ2」で再共演するなど、スター同士の交流でも韓ドラファンをたびたび沸かせるセジョン。除隊後いよいよ俳優活動を再開させ、今度はどんな新しい面を見せてくれるのか...。その日を楽しみに待ちたい。
文=酒寄美智子
放送情報
韓国ドラマ「愛の温度」ノーカット字幕版
放送日時:2021年12月2日(木)~15日(水)3:30~
※毎週(火)~(土)3:30~(2本連続放送)
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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