チ・チャンウクの「愛に溢れる眼差し」が胸を打つ...長い年月を経ても色褪せない「笑ってトンへ」の尊さ

「笑ってトンへ」
「笑ってトンへ」

(C)KBS

ところが、トンヘが母・アンナを連れて韓国にやってきてみると、セワの心は離れていく一方。トンヘを愛してはいたが、結婚相手として自分の人生を懸ける決断が下せずにいた。やがてトンヘの方も、障害を持つアンナに対して煩わしさを漂わせるセワの態度に、少しずつ不信感を募らせていく。さらに、トンへはセワを守ろうとして交通事故に遭い、アスリートとしての将来も絶たれてしまう。

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(C)KBS

大切なものを次々と失っていくトンへ。何度も傷ついて自暴自棄になるが、そのたびに、人を疑うことを知らない母・アンナの純粋な心に触れ、前を向く勇気と明るさを取り戻す。

絶望の淵に追いやられても「笑おう、泣いてちゃダメだ」と必死に前を向くトンへ。韓国で知り合ったボンイ(オ・ジウン)と助け合いながら、母・アンナのために、自分たちを捨てた父親を探そうと決心。やがて料理人という目標も見つけ、新たな夢に向かって、ひたすら泥臭く前進していく――苦境に立たされても前を向く強さ。それこそがトンへの魅力だ。必死に生きていく中でボンイとの間に育っていく絆にも惹きつけられる。

「笑ってトンへ」
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(C)KBS

そして全編を通して印象的なのが、母・アンナを優しく見守るトンへの眼差しだ。精神年齢が9歳で止まっている母親をまるで妹のように可愛がり、あれこれと世話を焼く。街でアンナの行方が分からなくなると血相を変えて探し、無事見つかった時には「何で勝手に外出したんだ!」と目に涙をため、アンナを叱る。その行動一つ一つに愛情が溢れていて、たった一人の家族であるアンナを大切に思うトンへの心の尊さに胸打たれる。

「笑ってトンへ」
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(C)KBS

トンへというキャラクターを半年間かけて演じ切り、国民的スターの仲間入りを果たしたチャンウク。その後もジャンルを変え、一つのイメージに定着することなく新たな挑戦を続けるその姿勢は、いつも前向きなトンへの姿にも重なる。12年という年月を経ても色褪せることのない名作を通して、前進し続けるチャンウクの原点に触れてみてはいかがだろうか。

文=酒寄美智子

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放送情報

笑ってトンへ
放送日時:2022年8月31日(水)4:20~
※毎週(月)~(木)4:20~
チャンネル:KBS World
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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