ツンデレ演技は封印？「じれったいロマンス」のソンフンが新たな魅力を開花させた「愛すべきパパの顔」

そんな状況で、「赤ちゃんは欲しいが、あなたにはあなたの人生がある。あなた自身のことを考えてください」と、親身になって対応するラファエル。しかも当の本人は忘れているが、実は彼こそがウリのファーストキスのお相手。紳士的な振る舞いに過去の記憶も重なって、ウリは少しずつラファエルに心惹かれていく。

ラファエルは仕事には厳しくクールな反面、ウリに見せる顔は温かく誠実そのもの。ウリのお腹にいるのが、最後の精子の"結晶"にも関わらず中絶をサポートしようとし、彼女が出産すると決心すると、彼女を守り抜くことを約束する。キスまで交わしたウリを忘れている...という事実にかつては遊び人だった過去がチラつくが、それがまた大人の男性としての魅力を際立たせている。

やがて、生まれてくる赤ちゃんのために可愛い赤ちゃんグッズを用意し、ウリの家族にも誠意をもって接し、妊婦検診にも必ず付き添う徹底ぶり。エコー検査で少しずつ育っていく胎児の姿を見ると思わずウリの手を握り、小さな鼓動を聞けば涙を流す。そんなピュアで愛すべきラファエルの人物像を、彫りの深い完璧なルックスの持ち主・ソンフンがコミカルかつハートフルに演じている。

相手役のイム・スヒャン演じるウリも、恋には奥手ながら、芯は強い愛すべきキャラクター。そんな2人が、"予期せぬ出産"をきっかけに少しずつ距離を縮めていく姿は何とも微笑ましい。ガンジェを交えた三角関係は、切なさもちょっぴり含んでいて惹き込まれてしまうことだろう。

今年下半期には、自身初となる華麗なアクションノワールに挑む新ドラマ「心臓が走る(原題)」が控えているソンフン。40歳目前となった今、次々に新たな一面を開花させている彼の、今後の活躍ぶりにも期待したい。

文＝酒寄美智子

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