一方、パッとしない成績に悩む高校生のモヤモヤや悪化する事態にヤケになっていく変化も巧みに表現。学校を停学になってしまい、将来に絶望する眼差しを浮かべたかと思えば、どうにでもなれと吹っ切れた爽やかさすらある顔つき、自信に満ちた振る舞いなど、ウブな高校生が一皮向けていく様子を感情豊かに活写している。
さらに、湖に落ちそうになる車を止めようとボンネットにぶら下がったり、テストに間に合おうと全力疾走したり...と、必死の表情を浮かべてのアクションは、現在のトムに通じる片鱗も見せている。
フレッシュかつ繊細な表情から大胆な姿まで抜群の存在感を発揮し、高校生の心の揺らぎを表現したトムは、ゴールデングローブ賞で主演男優賞にノミネートされ一躍ブレイク。その後「トップガン」(1986年)や野心的なバーテンダーを演じた「カクテル」(1988年)といった作品をヒットに導き青春スターとして活躍していくのはご存知の通りだろう。トムの原点ともいえる初主演作で、改めてその魅力を堪能したい。
文=HOMINIS編集部
放送情報
卒業白書
放送日時:2022年11月7日(月)15:30~ ほか
チャンネル:ムービープラス
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