歌手デビューから10周年を迎えた声優・井口裕香が東京・恵比寿ガーデンルームにて「井口裕香 バースデーパーティー2023 〜ゆかちンち〜」を開催した。同日に昼公演と夜公演が行われ、両公演来ても楽しめるイベントになっていた。今回は昼公演の模様をお届けする。
イベントの開始時間になると、祝花で彩られた豪華なステージに現れたのは日笠陽子。井口とはプライベートでも仲良しだという日笠が昼公演のMCを担当。会場に来てくれたファンとともに本日の主役である井口の名前を叫ぶと、黄色の衣装を身にまとった井口が満を持してステージに登場。オープニングトークでは井口と日笠の出会いを振り返りつつ、7月11日で35歳の誕生日を迎える井口にバースデーケーキが贈られると、会場からはバースデーソングの大合唱が響き渡る。
続いて日笠の誕生日も7月16日と近いことから公開プレゼント交換会が行われ、日笠から井口へ化粧水と制汗スプレー、井口から日へPRADAのバレッタが送られた。バレッタは日高里菜にも購入したようで、井口は「『お日様ぐみ!』でぜひ!」と日笠と日高がパーソナリティを務めるラジオ番組「日笠・日高のお日様ぐみ!」の名前を引き合いに出し、3人の仲の良さをアピール。その後は「どこに行きたいか?」といった質問コーナーに2人で答えていき、和やかなトークを展開していく。
「ゆかちイントロクイズ」では、井口がこれまで歌ってきた曲のイントロに本人が答えていった。「解けない魔法」や「キミのこと」など順調に正解する井口だったが、苦戦した第3問目ではなんと会場のファンのひとりが正解するという予想外の展開が起こり、会場からは大きな拍手が巻き起こった。すると、井口から正解したファンに向けてこの日売り切れていたTシャツがプレゼントされるという嬉しいサプライズもあった。
ライブパートはこれまでと一転して、アコースティック編成らしく静寂に会場が包まれた。昼公演では7月12日にリリースした2ndミニアルバムに収録されている「アノヒノコイ」でステージの幕が上がった。ギターのストリングスがしっとりと響き渡る中で、力強くも伸びやかな歌声を届けた井口。続く「一番星ソノリティ」「ナツサガシ」でも、原曲とは異なるこの日ならではのアレンジで井口の柔らかな歌声を届けた。MCでは「トークコーナーとのテンション差に具合悪くならない?」と冗談交じりに話しつつ、「しっとりが続きますが楽しんでいければと思います 」と呼びかけた。MCを挟んだ後は、「ボクらのタイミング」「解けない魔法」といった新旧の名曲を織り交ぜながら、これまでの歌手の軌跡を噛みしめるように歌声を届けた。「解けない魔法」では、アコースティックなライブには珍しく、会場から拍手が巻き起こり、一体感の感じられるライブになっていたのが印象的だった。
ここからはキーボードも加わり、ギター&キーボードの体制で「さらば29」ならぬ「さらば34」を披露。まさに今日この日にしか聴けない貴重なセットリストに会場を訪れたファンは釘付けになっているようだった。餃子が大好きな井口らしいナンバー「GYOZA」、テレビアニメ「虫かぶり姫」のオープニングテーマにもなった「Prologue」では、前半のギターのみの構成から一転して、リズミカルなギターやしっとりとしたキーボードで彩り豊かなステージを披露していく。MCでは「アコースティックで聴くのとCDで聴くのとでは違うと思うので、2ndミニアルバムをぜひチェックしていただけたら」と2ndミニアルバム「キミがキミでキミなんだよ」をアピール。
この日、フルでの披露が初となった「空が落としてゆく言の葉」、定番曲「Grow Slowly」を立て続けに披露すると、MCでは「歌にトークにと楽しい時間をありがとうございました」と会場に駆けつけたファンに感謝を伝えた井口。「よろければ歌えるところは一緒に歌ってくれたら」と話し、最後に披露されたのはライブでも定番のナンバー「キミのチカラ」。会場からは「ラララ」の大合唱が起こり、余韻が冷めやらぬままライブパートは終了した。
最後には歌手活動10周年記念した「10thアニバーサリー・ファンミツアー2023」が10月14日の東京公演を皮切りに京都、香川、静岡、宮城の全6公演で開催されることが発表。井口は「今日は本当に楽しい時間をありがとうございました」、MCを務めた日笠も「曲ってこうやってみんなで作っていくものなんだなと思いました。とても楽しかったです。ありがとうございました」と感謝を伝え、昼公演は幕を下ろした。
取材・文=川崎龍也
放送情報
井口裕香 オフィシャルサイト
https://iguchiyuka.jp/
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